第9期 労働講座 第1回
                

日 時 2020年1月28日(火)18:00〜19:30
場 所 長崎地区労会館・2F大会議室 


主 催 長崎地区労
長崎地区労 議長
「中学校の教員ですが、昨年からいくつかの労働相談を受けています。 困っている方に、労働組合を
 つくって取り組みをしませんかと話しをしています。 自分たちの生活やいのちを守る為に、自分たち
 で動かないと変わらないと、動いた仲間。 労働者が団結して、現状分析をして知恵を養う労働講座。
 ベテランのオルグでも新しい発見がある。 しっかり聞いて自分たちの運動に活かしていきたい。」  


国鉄労働組合 長崎地区本部 元執行委員長 『賃金とはなにか』
「賃金論を考える時、現代社会を考えないといけない。 前回も話をしてきたが、普段言われているの
 は資本家の賃金論。 労働者の賃金論を教える学校は皆無。 会社側が考える賃金論が一般論と
 なっている。 労働者の賃金を経営側は1割ちょっとしか考えず、自分の儲けしか考えていない。
 労働力不足となっても、労働者の賃金や生活は2割しか考えていない。 労働者側の立場で考える
 資本側は、ほとんどいない。 日本の8割以上が労働者階級である。


 厚労省のデータで私も資料を作っていて、おかしいと思っていたら安倍政権が国会で指摘され改ざ
 んがあった。 賃金が上がった実感がないのは、政府の統計からも実質賃金が下がってきている。
 消費税が10%に上がり消費が冷え込み、さらに厳しくなる。 10人いたら4人は年収300万円以
 下、1人は100万円以下で生活している。 一方、年収1千万円もいて格差が現れてきている。
 非正規労働者がどんどん増えているが、企業側が不安定雇用労働者を求めている実態。 女性と
 いうだけで賃金を上げない男女格差もある。 労働者とは自分の能力を売って賃金をもらう階級。

 
 企業は労使一体と言うが、資本家は会社の事しか考えていない。 労働者は儲けをつくるから雇っ
 ているのであって、儲けをつくれないなら雇わない。 1日8時間の労働で、4時間は自分の賃金の
 為に働き、4時間は資本家の懐に入る為の時間。 直接、生産をしない事務職の労働なども、不払
 いの労働時間があり、取られている。 賃金は労働の対価と言われ、搾取の仕組みを中々見破れ
 ないようになっているが、労働者階級には賃金部分と搾取部分がある。 民間・公務員問わず全て
 の労働者は搾取され、資本家の利潤を貯めて肥え太らせている。


 生産性を上げたら賃金が上がるという考えを資本家はよく使う。 パイを大きくすれば上がりますよ
 とヤル。 ところが会社は大きくなったパイから半分はくれない。 小さなパイで半分やっても、大き
 くなったら半分はやらない。 会社は労働者に取り分をたくさんやる経営はしていない。 同じ論法
 で労働組合はこれまでやられてきた。 何もしないと、だんだん賃金や待遇を切り下げてくる。  
 資本家の論理を団交で言ってくるが、労働者の賃金論で俺たちが生活できる賃金を渡せと言う考え
 をブツけて、資本側から賃金を取って頂きたい。 賃金は闘わないと上がらない。


 賃金が上がらない最大の要因は、労働組合の組織率低下と、闘わない=闘いを忘れた労働運動。
 1974年頃は32.9%と1年で賃金が3万円上がっていたが、連合が発足してから、どんどん下がり
 7千円まで下がった。 ストライキの件数も1年で0近くに下がっている。 ストには賃金闘争や人権
 闘争などがあり、労働者が団結して闘った時代と比べ、現実に賃金は上がっていない。 
 横の連帯で戦術を組んでの闘争は、地区労が象徴的。 単産や単組だけでなく、労働組合全体で闘
 う事が長崎バスユニオンで成果として出ている。 各職場で賃金論や権利侵害の学習を行い、春闘
 討論・学習会で交流を深め、日常の労働運動の強化発展で、これからの闘いをお願いしたい。」




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