第9期労働講座 第2回
                

日 時 2020年2月20日(木)18:00〜19:30
場 所 長崎地区労会館・2F大会議室 


主 催 長崎地区労

小笠原さん (労働大学 講師) 『私たちを取り巻く情勢と課題を考える』
「日本の失業率は28%と欧米と比べ低いが、1990年から所得は中々上がらず、失われた30年。 
 世界に目を向けると失業率は高く、若者が政治的に立ち上がり、アピールで一斉デモや座り込みを
 している。 イギリスでは保守党と労働党があり、労働党が時給の最賃は1400円を要求、大学授
 業料無償化を掲げ、若い人たちが高い投票率を示し受け入れられた。 財源は5%の富裕層や大
 企業への増税、金融取引へも課税した。 さらに鉄道など、生活インフラを民間から公営化した。 


 アメリカでの大学授業料は年間250万円と、日本の2倍くらい。 ローンを抱えたまま社会人になり
 生活できない。 若者は資本主義に疑いを持ち、そんな社会を自分たちで変えようと、アメリカの世
 論調査では2016年から社会主義への展望が広がっている。 アベノミクスで日本社会は根底から
 ズリ落ち、中小は倒産の前に廃業している。 少子高齢化で過疎化の問題、三菱も100万tドックを
 売却する話で、他でも地方の疲弊が進行している。 誰もが結婚し、子どもをという人間社会の当た
 り前の営みが崩れている。 みなさんの町内でも、家庭を持ち子どもを育てている所が何件あるか。
 

 経済大国と言われるが、34歳の結婚率は正規59%、非正規は16%で、非正規の雇用は全体の
 4割弱。 経済が回復したのは大企業で、労働者が作り出した富が内部留保で貯まっている。
 日本経済はオリンピック前に景気が悪くなろうとしている。 一国の首相が雇用が増えたと自慢す
 るが、非正規と65歳以上の雇用が増えた。 45歳〜の女性も増えているのは、子どもの教育に
 一番お金がかかる時。 医療福祉に飲食・サービス業で増えた求人。 非正規雇用が多い労働条
 件で、過酷な割に賃金が安く、きつくて文句言われると、労働者が職場に定着しないで、どんどん
 

 辞めるので、しょっちゅう求人を出す企業。 有効求人倍率の高さは雇用の劣化。 安倍政権の無
 策が真実。 働き続けられる当たり前の賃金を保障し、若い人の労働環境を改善すると社会が発
 展する。 贅沢とかではナイ、まっとうな経済を取り戻す。 日本経済はマイナス成長を迎えた。
 最近、安倍首相はアベノミクスのアの字も言わない。 彼はわかっている、日本経済は奈落に落ち
 ようとしている。 一部の大企業や富裕層だけが肥え太り、労働者は家庭を持つ、当たり前の希望
 すら失われている。 将来の展望が立てられない。 自分の親たちがやってきた暮らしができない


 ことに、怒りを持つ事が必要。 安倍政権は自分で政治不信を作り、投票率を下げている。 国民は
 アキラメて投票に行かず、国民の支持がないまま国政を担っている。 代わる政党がナイと、こんな
 政権を許していいのか。 安倍さんは追い詰められている。 この一週間で顔色が悪く、健康問題を
 抱えはじめている。 安倍政治の行き詰まり、八方塞がりになっている。 桜の会では、自分の政権
 基盤を固める為に、支援者に税金を使い私物化している。 IR、カジノでは犯罪に規定されるバクチ
 を合法的にやろうとする事が成長戦略になりますか、呆れる他ない。 ウソがつけなくなり、ボロがだ


 んだんと出ている。 野党は共闘して追及しているが、安倍政権に代わる、もうひとつの勢力を作ら
 なければならない。 日本で社会主義的な政治をどうするか。 格差を無くし、戦争する国を止める
 事。 憲法を守り、平和、自由、平等、共生を目指す事が、ポスト安倍の対抗となる。 労働者の権
 利と社会保障が切り捨てられ、ヨーロッパでは反緊縮した。 組織された労働者の労働組合、みな
 さんが中心になりながら、市民運動と連携し政治をつくる必要がある。 労働運動に市民運動の力
 が欠かせない。 保守2大政党による資本主義を守ろうという政党では、働く人の権利は守れない。


 社会主義を伸ばす事が必要です。 自民党と対峙するには、政党と労働組合が闘い、運動をともに
 作るしかナイ。 闘わないと権利や平和は勝ち取れない。 政治闘争をするしかない。 選挙も自分
 たちの問題としてやるしかナイ、仲間に広げて頂きたい。 定期昇給とは1年で必ず上がる分で、ベ
 ースアップは別なので、経団連は春闘で賃上げ要求するなと、始まった攻撃。 ベアと合わせて月9
 千円上がっても、家族がいると1日100円UPにしかならない。 非正規が増えると正規の待遇も悪
 くなる。 賃上げを個人の成績だけで支払い総額にすると、マイナスの人も出てくる。 日本最大の
 

 労働組合の提案に私も驚いた。 労使でこんな事を決めるとは残念な組合。 春闘が解体され、各
 単産だけでやられてしまう。 統一交渉、統一要求で闘いを広げる事が重要。 タダ働きを無くすと
 要求し、勝ち取る当たり前を求めよう。 残業手当てがある事で生活が成り立ち、生活の一部で働
 き方改革が深刻な実態を抱えている。 春闘は職場でできる賃金闘争。 仕事で使う道具を自腹で
 買ってませんか。 会社が買って当たり前。 数が足りないなら増やせと。 年休の残り切り捨ては、
 自分で自分の賃金カットとなる。 職場で団結し、お互い働き続けられる職場を目指して頂きたい。」
 
 
 

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