言論の自由と知る権利を守る長崎市民の会 司会
「本日の講師は毎日新聞OB、大賀さんです。 1971年に長崎大学を卒業後、記者として活躍され、
 現在は福岡市日中友好協会の理事長をされています。」


言論の自由と知る権利を守る長崎市民の会 代表
「安倍元首相の銃撃は、厳しく糾弾し弔慰を表したい。 8日の夜、緊急声明を各マスコミに出した。
 国葬に強く反対し、意義申し立てを19団体で出し、TV・新聞で報道された。 国葬の舞台裏。
 岸田政権は基盤を固め、保守派の支持を固める為だろうと思う。 国費を出すには、国会の議決
 を得ないといけない。 予備費が計上されているが、閣議決定で予備費はイカン、とんでもない。
 安倍氏の功績ばかりで、モリカケはなかったかのようなマスコミの扱い。 マスコミは世間の風潮
 に流される事なく、良い事は良い、悪い事は悪いと振り分けるべき。」 
大賀さん (元・毎日新聞 福岡本部報道部 部長委員) 
「本日は7月23日、40年前に長崎大水害をあちこちで取材し、眼鏡橋も流され生々しい状況でした。
 私もデスクでしたので、新聞記者は前文は作るな短くしろというのが基本でした。 戦時中の新聞報
 道について昔の新聞、太平洋戦争の記事など入手しております。 歴史を学ぶ事を、みなさんに伝え
 たい。 かつて新聞報道はどうだったのか。 今のマスコミを判断する大事な材料になるはずです。
 新聞社は戦時中の報道について、言論統制下にあり、真実を書くことが許されなかったとしてきたが、
 

 実際の記事を検証してみると、率先して世論を煽り、国民を戦争へ駆り立てた張本人だとわかる。
 しかし各社は、戦争加害者としての立場に目を向けず、反省も忘れ、後輩記者たちに継承しようとも
 しなかった。 ロシアのウクライナへの報道をみると、一方的に危機感を煽り、防衛費を拡大させ、
 日本を軍事強国にさせようとしている。 TV全局がコメンテーターに、防衛省・防衛研究所スタッフ
 を呼んで語らせている。 もはや日本の新聞・TVは、政府のアンダーコントロールにあると言える。
 それが戦時中の『大本営発表』と同じであることだと、気付いてないことに恐ろしさを感じる。 


 戦時中の毎日、朝日、読売3紙の記事を紹介しながら、メディアの在り方を考えたい。
 日本の歴史、明治維新から26年後に早くも他国と戦争をやり、10年おきに戦争をしている。 
 日本は明治維新後、ずっと戦争をし続けた国。 1931年に日本の本格的な中国侵略が始まる。
 1937年7月9日毎日新聞の、北京郊外の盧溝橋事件を伝える記事。 他国に軍隊を送り込んで
 おきながら、『不法 支那軍 反省せず』と罵声を浴びせる記事。 日本軍はなぜ駐留してるんでし
 ょうか。 当時の毎日新聞は特派員という形で、北京と天津に20人を派遣する社告を掲載した。


 国に報いる新聞、報国新聞として各紙は競うように戦時報道をしていて、日本の軍事行動は自衛の
 為、正当防衛だと言い続け、向こうが仕掛けてきた、反撃は当たり前と、自衛が続いていく。
 南京占領の記事。 文化人・芸能人すべて戦争に協力した雰囲気が、当時の記事からわかる。
 戦車に乗り込んだ搭乗記。 軍事機密上〇〇台としか書けなかった。 他国の首都を陥落、占領し、
 侵略戦争に加担しているというのは記者には一切ない。 狂った新聞が作られていた。 
 朝日も読売も、部数拡張競争で、派手な記事を書きまくり展開した。 国の為、記事を通じて国に
 

 協力しているんだと、新聞広告も戦時色一色。 言葉使いにも、他国蔑視に満ち溢れている。
 衝撃的な東京日日新聞、1937年12月15日号外。 南京陥落から2日後、当時は蒋介石政権。
 占拠した国民政府の首相官邸屋上で、日本兵と一緒に毎日新聞の特派員が社旗を両手に振る写真。 
 軍と一緒にがんばっているんだという象徴的な写真。 今も中国は全国各地に、原爆資料館のよう
 なたくさんの資料館があり、展示され多くの人が見ている。 日本では一部の人がまた反日かと言う。
 貧困なる政治、貧困なる精神は情けない。 私たちが考えないといけないのは、逆の立場ならどうか。


 やられた歴史、国民に歴史をちゃんと伝えるのは権利。
 朝日新聞は、満州事変で多くの特派員、記者やカメラマンを派遣し、1931年9月19日に号外1号
 と号外2号を立て続けに出す力があった。 中国侵略を扇動し続ける内容であるわけです。 毎日新聞
 以上に貢献したとわかる。 中国から奪った戦利品を、朝日新聞本社に展示する。 支那軍旗、機関銃
 に小銃類、支那作戦命令書。 いかに日本政府の軍事行動に協力していますよ、という社告。
 たくさんの号外を出し、軍から感謝されていたんじゃないかというくらい力を注いだ。 日本の植民地
 

 政策は上手くいっていますよという内容。 朝日新聞社社長は満州国建国で祝電を送り、朝日は軍と共
 にありますよと、読者・国民に知らせている。 今だったらオカシイが、当時は軍国・戦時色に染まっ
 ていく新聞広告と社告。 お祝い事の広告を取るのは今もやっていて、戦時中もやっていた。 
 森永ミルクキャラメルが負傷兵を応援しようと、売上げの一部が慰問金になる、負傷戦士応援デー。 
 売上げの一部を見舞金に、というのは今もあり、70年以上前にもやっていた。
 1945年8月15日に負けてガラッと変わる。 マスコミの変わり身の早さ、厚かましい媒体なんです。


 現在、どう報道しているか。 新聞各紙の広告を見たら戦時中の雑誌広告とまったく一緒。 プーチン
 破滅とか、最後は暗殺という広告の見出し。 プーチンだけが悪いのか、ロシア包囲網を広げたNATO
 はどうなんだ。 最新鋭兵器を送り、若者を戦地に代理戦争させるアメリカは、正義の味方なのか。 
 徹底交戦を叫び、自国民を殺し続けるゼレンスキーは正しいのか。 日本政府、マスメディア、国民
 は追随していいのか。 戦後77年、日本は戦争せずにきました。 先進国でこれだけ長く戦争しなか


 った国はありません。 アメリカは日本全土を焼き尽くした、原爆も無差別な大量虐殺。 東京だって
 10万人は死んでいる。 一般人への攻撃を批判する資格はあるのか。 毎日新聞は、創刊150周年。 
 すべての新聞社に言える事ですが、方向を間違える事があります。 極端な例がWWUで、自己批判を
 いまだにやっていない。 同じ事を繰り返さない為、新聞の使命に照らし、どうだったのか、総括して
 いい。 一歩間違えたら同じ方向に流れ、人間は狂ってしまうと再認識してもらいたい。」
 



 NHK問題を考える   報道いま現場から考える   知る権利とメディアの役割  メディアの今を問う

言論ながさき市民講座
侵略戦争へと暴走した戦時報道
〜77年後、今のマスメディアの姿勢を問う


日 時 2022年7月23日(土)14:00〜16:00
場 所 長崎市民会館アマランス研修室1
主 催 言論の自由と知る権利を護る長崎市民の会