元米兵が語るアメリカの戦争の実態
元女性兵士の講演会


日 時 2019年11月5日(火)18:00〜
場 所 長崎地区労会館・2F大会議室


主 催 安保法制違憲国賠訴訟を支える長崎の会
 
  
安保法制違憲国賠訴訟を支える長崎の会 司会 (長崎地区労 元副議長)
「ベテランズ・フォー・ピース(VFP)は、平和を求める退役軍人の会。 レイチェルさんは、通訳だ
 けでなく、VFPの活動の他、核廃絶や脱原発にも取り組んでおられます。 
 本日は佐世保からも原告団の一人でもある、元海上自衛官も参加しています。」


西川さん (元海上自衛隊 海曹長/安保法制訴訟原告団)
「安保法制訴訟の原告でもあります。 2年前の集会で話をさせてもらいました。 浦上天主堂に
 ある被爆のマリア像の前で歌う、平和につながる歌。 ソプラノ歌手、松口ようこさんが歌う素
 晴らしい曲です。 YouTubeでぜひとも聞いて頂きたい。」 
 

安保法制違憲国賠訴訟を支える長崎の会 副会長 (長崎県平和運動センター 元議長)
「私たちは大量絶滅の始まりにいる。 際限ない核軍拡、核戦争の危機。 小型の核弾頭を配備
 し、サイバー攻撃にも反撃する。 その結果どうなるのか、軍拡競争の果ての姿。 だから9条
 なのだと、ノーベル平和賞の最終候補にも残っている。 9条を持つ意味は非常にある。 安倍
 政権による改憲を絶対に阻止しないといけない。」
レイチェルさん (通訳・国際コーディネイター/VFP終身会員)
「日本に行ったら長崎を訪れてくださいと言っています。 長崎に来ればわかる核兵器の問題。 
 この街は悲惨な目にあった、他人事ではない。 日本でのスピーキングツアーも4回目。
 念願かなって今回は女性を連れて来ました。 VFPは日本の総理宛てに、アメリカの市民として
 謝罪文を送っています。 VFPは戦争の事実を残していこうと、全開示キャンペーンをやってい
 ます。 VFPを、サーロー節子さんや、アーサー・ビナードさんも後押ししてくれています。」
 

スーザンさん (元米国海軍 看護兵/VFP・平和を求める退役軍人の会)
「私の父は第二次大戦(WWU)中、米国海兵隊に所属して、南太平洋に派遣されました。 2枚の
 写真だけが幼かった私と父を表した物です。 奪われた父のいのち。 1944年7月22日グアム
 に上陸し戦死した父。 たくさんの人が死んだので、様々な苦労が起きたことでしょう。
 1967年当時、私は米国の海軍に入隊し看護師として働きました。 米国では18歳以上の人た
 ちが軍に入れと毎月徴兵された。 米国はものすごい資金をベトナム戦争に投入していきます。


 看護して普通の生活に戻れるように仕事をしました。 患者はものすごい痛みで声を上げた。 
 彼らはベトナムでどんな残忍な事をしたか語った。  昨年マイクさんも言っていた、ソンミ事件で
 米軍は虐殺をしました。 大量虐殺はベトナムのいろんな所で行われていた。
 その頃私は平和団体のメンバーで、1968年10月21日にサンフランシスコで平和行進を計画し
 ました。 当時はネットやSNSもなく、たくさんの人に知らせたいと平和ビラを撒いた。 パイロット
 の友人と何千枚ものビラを小型機に積み込み、ベイエリア上空を飛び私が働く海軍の病院や様々


 なたくさんの軍施設、基地へめがけて空からビラを撒きました。 エンタープライズも停泊しており、
 イッパイ撒きました。 デッキの上に舞い降りた紙には平和マーチ。 その後、軍服を着て記者会
 見を開き、平和メッセージを撒いたと公にしました。 宿舎に戻ると上官から、政治的平和を語る
 とき軍服は良くないと、お叱りを受けました。 米国議会に、上層部は戦争激化の為に軍服を着て
 行ってスピーチするわけですね。 私は平和のスピーチのために着ていいじゃないですか、という
 のが私の言い分でした。 もう戦争はやめようとスピーチしたのが、軍当局には嬉しくはなかった。 

 
 軍法会議で懲役5年、強制労働の判決を受けました。 私のような人は当時たくさんいて、軍の中
 で現役が米国のやり方に反対し抵抗を示した。 上官の命令に従わなかった人たちの話。 
 1966年、ジョンソンさんら3人組は、ベトナムへの派遣命令に、行きませんと発表した。 1967
 年ハワード軍医は、グリーンベレー隊員へ手当ての訓練を断りました。 現地へ殺しに行く人への
 トレーニングを断った。 彼らは懲役5年の実刑判決を受けました。 現役時代に内部から声を上
 げて、戦争はモラルに反するモノで、止める事は可能です。 今こそやるべきだと思う。 


 私が働いていたオークランドの海軍病院での写真。 ヒザから下を爆発で失った米兵です。
 やりはじめて50年経ち、仲間と平和の展示会をやっています。 ベトナム戦争の後、現在は軍と
 別に一般企業で傭兵を育て、契約して兵を送っている事実。 昔はたくさんの徴兵で家族も心配
 した。 今は人口比に対し、軍人は少ない。 アメリカ人の意識に戦争はない。 アメリカの経済
 は戦争に支えられた戦争経済。 ガラッと変える必要がある。 


 米軍はベトナム戦争で、猛毒なダイオキシンを含んだ枯葉剤、2千万ガロンを散布しました。 
 小型機C-123が低空でガンガン撒き、環境そのものが破壊された。 化学会社は家畜にも人
 体にも影響がないとウソを言った。 340万人のベトナム人が直接触れたと言われ、親たちの
 次の世代に様々な障害を持った子どもが生まれている。 本当の姿のベトナム戦争はどうだっ
 たのか、兵士たちはどんな戦いをしていたのか。 ベトナム・フル・ディスクロージャー 問題の
 根幹は、多国籍企業の利益追求の為、戦争をずっと続けていく国際状況を批判しています。 


 米国政府はこれまで戦争で破壊した国々の人たちに、補償は一切出していません。 枯葉剤
 の影響を受けたベトナム戦争帰還兵の子ども、孫たちへの支援。 米国政府は被害がある方
 に謝罪し、補償すべきだと働きかけています。 被爆者にも保障すべきと思います。 
 世界にある核保有国、この状態は安全だと思いますか。 戦争が終わっても続く負の遺産。 
 かつて敵だった人たちと仲直りして、平和な未来に向かって歩きたい。」


 
 

ベテランズ・フォー・ピース長崎講演が見れます  2020年   2018年