長崎地区労 書記長
「新型コロナウイルスの感染拡大で、労働講座は開催できていませんでした。 以前は東京から講師
を呼んだりしていましたが、コロナ禍では難しい。 様子を見ながら、続けていきたい。 労働者は定
年まで働き続けられるのか。 労働組合に入り、今の職場の労働条件を良くしていくのが大事。
労働組合は組合員の生活と雇用、権利を守る。 地区労で労働相談をしていますが、個人でも会社
側に言えるが、目を付けられ首を切られそうになる。 ひとりでは弱いので、働く仲間と結集する。
組合に入り団結して、団体交渉を行う事で、経営側と対等に話ができる。 今は春闘の時期、政府や
経営者側も賃上げを言うが、鵜呑みにはできない。 賃金や労働条件向上の闘いを進めていきたい。」
長崎地区労 議長 『労働組合とは何か』
「中学校の教員です。 労働組合は労働組合法によって規定されています。 労働条件の維持、改善
と、労働者の社会的地位向上となっています。 賃金が確保されても、1日10時間以上働き、休み
もないでは、持続不可能。 労働組合が果たすべきことは、働きやすさを求めて、労働者の為の要
求書を作っていく。 作れないなら交渉はうまくいかない。 労働者に見合う賃金、現状はどのくらい
で、生活にはどれくらい必要なのか。 要求書を元に行動するのが労働組合の出発点となる。
ある学校で臨時講師に校長からのパワハラがあり、組合支部の役員が異変に気付いて問題が発覚
した。 組合で職場の状況を詳しく聞いて、市の教育委員会に要求書を提出し対応を求めた。 校長
はパワハラでなく指導だと言う。 市教委から文書回答するように強く指導され、他の非常勤職員を
叱責するようになった。 非を認めない校長に、複数の団体交渉で抗議した。 校長はこれまでの行
為を謝罪して、ハラスメントはなくなった。 組合員が何に悩んで、困っているか、顔を合わせ少しず
つ話を聞く事が大事。 労働組合がない職場で起こったパワハラ。 労働組合に入りましょう。
思想信条が違うから、支持政党が違うから組合に入らないという人がいますが、それは違う。 労働
者が職場で、自主的に結成した労働組合だから、思想信条の違いを越えて、労働者としての要求を
達成するためにまとまっている。 特定政党と組む事はあるけれど、投票は自由です。
労働組合の団結の力。 会社の経営者や当局の使用者との交渉は、労使の直接交渉が基本。 し
かし、民間だけでなく公務員の場合は特に、議会で決まる事もあるので、議員さんとの連携も必要で
す。 労働組合と政治闘争について。 政治とは私たちの暮らしそのものに繋がります。 日本教職
員組合で青年部長をしましたが、時の政府は都合が悪いことがあると、子どもに偏向教育をしている
とか平気で言います。 政治教育をして欲しくないので、政治的である事が悪い事のような教育をさ
せる。 政治で決定する事に関与させたくないのでしょうが、政治とは参加するものです。 議員さん
を味方につけて、国や県や市に対して要請する行動も必要です。 建設長崎は、リフォーム助成金
制度などを連携した。 個人の仕事確保だけでなく、全体のためになる、働く人の為にもなる要求。
青年部と話をすると、なぜ労働組合が平和運動をやるんですかと聞かれる。 これはかつて、労働者
が戦争に協力したから。 産業報告会ができて、労働組合は事実上、戦争反対も何もできなくなった。
学校の先生がお国の為に尽くしなさいと言い、物を作る人たちも、行政職も、マスコミも、日本が侵略
されない為にという名目で、意思統一して戦争協力させられた歴史があります。 その後、日本は敗
戦し、戦後に日本国憲法や、教育基本法ができた。 多くの人が、これで戦争しなくて済むと喜んだ。
日教組には『教え子を再び戦場に送るな』というスローガンがあります。 15年戦争の反省。
今、ウクライナが大変な事になっています。 ロシアが絶対悪と言われているが、その背景を知って
おく必要がある。 NATOがこの行動を起こさせた。 ロシアから見れば他国を蹂躙して、自国を守ろ
うとした。 ロシアはこれからが大変。 世界から孤立していく。 これをさせると、かつての日本の軍
国主義政権と同じように、15年戦争に入る可能性がある。 今、世界の情勢は結論がでない状態。
台湾海峡の問題など、どこかの国から侵略されたらという仮説から入り、核共有とか言いだしている
のは問題。 長崎の反核9の日座り込みは、原子力船むつの入港の抗議からスタートした。 高校生
平和大使と1万人署名活動は、インド・パキスタンの核実験の抗議から始まった。
職場でのパワハラ問題。 形を変えていろんな所で起こっている。 長崎バスユニオンの闘いもまさ
に、前の状態はパワハラ処分と同じ。 前例のない懲戒処分や、見せしめ的な処分、本社への呼び
出しで肩叩き。 長崎バスには既に労働組合があったが、その組合は動かなかった。 組合役員を
した後の出世などあるので、どうにかしてくれと組合員から相談があっても会社側が困るような事は
しない。 以前あった闘う労働組合を作る必要があると、長崎バスユニオンは結成された。 労働組
合を結成しようとすると、結成前に会社に潰される。 経営側は会社に歯向かう組合は嫌う。 結成
まで会社側に漏らさず、結成できたと同時に、労使交渉を申し込んだ。 その後、会社は動かない組
合と一緒になって様々な攻撃を仕掛けてきた。 裁判闘争など、最終的に完全勝利していく。 あた
り前の事を言って、あたり前に認めさせた。 今、あたり前の事をしない労働組合が多い。 私たちに、
あたり前の労働組合の姿を全国的に見せてくれた。 長崎の労働組合が集まり、ローカルセンター
として
長崎地区労が結成された。 現在のナショナルセンターとして
連合が結成され、労働組合として
の役割を果たさないといけないが、果たしきれているのでしょうか。 政治闘争や労働運動の総括は
はキチンと丁寧にできているのか。 これを検証し、決めるのは各組合の組合員なんです。」
第9期労働講座・第3回を読む