第6期労働講座 第3回
                

日 時 2017年1月19日(木)18:00〜19:30
場 所 長崎地区労会館・2F大会議室


主 催 長崎地区労 
長崎地区労 前書記長 『労働組合とは何か、任務と課題』
「国労出身で、1984年に地区労に専従で来て2008年まで書記長をして、いろんな闘争を経験して
 きました。 時間外労働をやってクタクタな労働者の過労死や自殺、電通や三菱電機で同じような事
 件が起きている。 時間外労働には36協定があり、労働者の代表が判を押し監督署に届けないとい
 けない。 産業革命以降、資本主義で社会的問題が起きて労働組合が始まった。 資本主義社会は
 労働者と資本家が基本構成。 資本家は労働者を雇用し使用して儲ける。 資本主義社会の主人公
 は、私たち労働者。 なんでも商品として消費する社会、資本主義の矛盾を考えないといけない。


 労働組合の結成について労働者が団結し、団体交渉する権利が保障されている。 要求書を提出し
 て、その回答では納得いかんと言っても、労組でないなら脅迫になり刑事事件に発展する。 労組法
 はすごい、ストをやると売上が減るが損害賠償が免除され、労働組合は法律で保護されている。 
 労働組合を作るには、労働者が主体で自主性を持って作る。 外国人でも加入や作るのはOKで、労
 組とは会社との対抗手段。 労働条件の維持改善その他、経済的地位の向上をめざす。
 公務員だと団体交渉権や行動権の一部制約があり、争議権は認められない。 フランスでは警察官
 にもストライキ権があり、日本でもスト権を認めさせ、人事院だけでなく労組でやろうとしている。
 

 これまで経験した労働争議。 長崎製氷工場は仮処分を申し立て裁判で認められなかった。 浜市
 パーキングでは、夜中にピケを貼り駐車場を地区労車や県評車で占拠し金銭解決をした。 ホテルあ
 じさいでは、倒産で時間外や未払い賃金の労働債権確保の闘争。 水産会館闘争など、いずれも倒
 産や閉鎖で解雇になるので激しい闘いとなった。 鉄産闘争は、列車の車内清掃で、ダイヤ改正で
 仕事が減り、人員を減らしたいので首は切らないが退職勧奨をされた。 


 職場復帰させたり、ある程度勝ち取った闘いもある。 魚市闘争は労働条件改善で、地区労の動員で
 朝3時〜4時に青婦協を中心にピケを貼り、ストライキの支援闘争を組んだ。 ブックス九販や光仁会
 病院など、労組を作ると会社は大慌てで、すぐに闘争という事が多い。 後藤運輸は賃上げ交渉で社
 長も出てこない、社長や常務の家を取り囲み街宣で激しくやった。 中央タクシーは企業内組合で、長
 崎県タクシー労組へ移った少数派の人を運転から降ろし、月収も減り明らかな不当労働行為があった。 
 タクシーは交代制なので、ストも2回行わないと24時間で半分、全部ストにならない。 


 生コンの菱光闘争は3年8ヵ月の闘い、三菱マテリアルが経営を園池商店に売った。 悪質な労務屋
 が名古屋から来て、労働条件を下げて配置転換や賃金カットやら、いろんな事をやった。 ストをした
 ら会社は対抗手段としてロックアウトをしてきた。 先制的なロックアウトは違法だと裁判闘争でも勝っ
 た。 最終解決は親会社マテリアルと長崎県も入り、連名の協定書を作り17名の雇用を確保できた。 
 これまで金銭解決が多いが、労働者は働く場所が確保できないといけない。 


 国労闘争は23年余もの長期闘争。 国鉄分割民営化で、闘う労働組合が潰されようとした。 当時、
 自民党の中曽根総理が国労を潰せば総評が潰れ社会党が潰れると、労組を潰すためにやった。  
 こういう事を許してはならない。 23年闘い金銭解決し、最終的な雇用を勝ち取る事はできなかった。
 職場要求をあげて団交し総括を行い、労使合意したら労働協約として残そう。 労働争議に突入したら
 県の労働委員会で斡旋や不当労働行為の救済申し立てを行う。 裁判では地位保全仮処分を申し立
 て、解雇無効を求める裁判などや、労働基準監督署に申告し、いろんな権利を駆使して活用しよう。


 労働組合の組織率はスウェーデン・フィンランドなどは70%と高く、労組の影響は大きく国に関与する。
 日本は17%で99人以下の職場は0.9%と低く、年々低下している。 労働者が圧倒的多数だが、
 いろんな分断がある社会。 公務員と民間、大手と中小、正規と非正規、現役と退職者と分断されて
 いる。 団結が弱いのが原因で、克服する努力を労働組合が果たしてほしい。 労組がある所は大手
 で恵まれた所が多い。 労組の立ち上げが難しくなっていて、一緒に闘いの手を差し伸べる事が大事。
 

 団結こそ労働者の武器、あらゆる分断に負けないようにしよう。 1%に冨が集中し、99%の貧困を
 見落としてはいけない。 生活と平和を脅かす元凶の独占大企業及び自民党安倍政権と闘おう。
 胸を張って仕事し、おおいに権利を主張し闘い、生活と雇用の安心・安全と、将来不安のない社会を
 つくろう。」




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