足立さん 労働大学 講師 『働く者から見た日本社会の現状』
「マルクス資本論の第一巻は1867年に発刊され、来年でちょうど150年になる。 この古い本が現代
にどう結びつくか、資本家が一番嫌いな資本論。 働く者から資本家が搾取し、窮乏・抑圧・隷従・墜
落・搾取が増大する。 労働者階級の反抗が増大し、最終的に社会主義革命になって、資本主義の
最後を告げる鐘が鳴り、収奪者が収奪されるとある。 資本家とは一人ではない、同業他社と競争し
ているので、常に一人の資本家が多くの資本家を滅ぼす。 自然な人口の増減とは無関係に失業者
はできる、相対的過剰人口。 資本家にとって失業者が大事で、本当はもっとイッパイ失業者が欲しい。
新たな事業を始める時に新たな労働者を安く引っ張れる。 新しい機械を入れて多く生産できるように
なると、より多く売らないといけなくなるので、うまくいくといいが均衡が崩れると恐慌になる。
恐慌になれば労働者を解雇させる事ができるので、資本主義は恐慌でさらに大きくなる。 ’97年以
降企業の内部留保が増えて次の生産に回っていないのが日本の資本主義の特徴。 株主への配当
金が増えて賃金は下げられすぎているのは間違いない。 労働者も、株が高いと景気がいいと思う
心理作戦がある。 公的な株で支えている時はドカンと崩れる場合もある。 1930年代、軍備拡大
路線で国債が膨れはじけたら、ものすごいインフレになった。 最後は、みんなに押し付ければいい
んだとなるかもしれない。 企業はいつでも首を切りたいので解雇の金銭解決ならスッキリできる。
時間を無視した働かせ方も政府は諦めていない。 金が資本家にたまり回っていない。
窮乏とは、ひとことで言うと日本は労働者の再生産できる社会に、子孫がちゃんと作れる社会になっ
ているか。 世帯収入で’97年と2014年を比較すると、日本全体で500万円以下の世帯が10%
増えている。 家じゅうで働いても再生産がキツイ状態が、学生の貧困につながっている。 学生ア
ルバイトの理由が、生計費の為にが20年前の20倍以上になっている。 ブラックバイトで試験日も
休めない。 奨学金は貸与ですから教育ローンで大学4年で借金ができる。 卒業しても非正規雇
用や就職できないなど、日本の貧困を示している。
抑圧とは、’80年代は自民党・中曽根政権に労働組合潰しが徹底してやられた。 国労や全逓な
ど、明らかに闘う労働組合が狙われた。
隷従とは、奴隷のように従うことで都道府県の労働相談は、職場でのいじめなど年間百万件ある。
日本の83%の会社には労組がなく職場の不満を言える組織がない。 労働組合は労働者の不満
を代弁できていない。 昔は労組の仕事は仲間の借金相談だった、労働者の不祥事が増えている。
職場でモノが言えているか、アル中など墜落した仲間がどう生きられるか考えないといけない。
搾取が増大とは、ほとんどの労働基本法が’80年代に改悪された。 有期雇用は1年だったが、
契約社員など拡大した。 1日8時間労働が週休2日制から1週間平均、1ヵ月平均して40時間と
か話が切り替わり、超勤を発生させない扱いとなっていった。 労働者派遣法の制定と改悪で職場
の中に非正規雇用が入れられ、結果的に搾取増大となった。 所得を増やす為に副業させてくれと
なると、今の労基法では罰する事もできず、長時間は自己責任だとなる。 労働者を個人事業主とし
て働かせ規制する必要はないと言うが、イギリスの裁判では個人事業主は労働者だと言われる。
今後、政府は統制し最初は賃金を上げて、政府が決めるので労組はいらないとか言い出す。 自分
たちの賃金や労働条件は自分らで交渉して決め、人に決めてもらうものではない。 高まる労働者の
不満。 職場でひとりで抵抗したら潰され、闘えば弾圧される。 職場の仲間と職場の不満を話合い、
みんなと話すことが大事。 資本家や経営者は職場の不満を労働者どうしの対立にするので、ひどい
よなと話合える仲間を作る。 個人と違い、労働組合は法律で使える権利があるので使わない手は
ない。 ひとつの労組では潰されるので地域の仲間と共闘できる体制を作るのが大事です。」
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