第4期・労働講座 第5回


日 時 2015年3月5日(木)18:00〜19:30
場 所 長崎地区労働福祉会館・2F大会議室


主 催 長崎地区労
小笠原さん 中央労働大学講師 『今の日本をどう見たら良いの?労働者の任務は?』
「国内総生産、GDPとは国の経済成長の度合いを表している。 日本の実質1年間は0.04%と内閣が
 発表し、労働者の報酬は実質0.1%減った。 過去20年間で最大の落ち率。 GDPの6割が個人消
 費なので、賃金が下がれば消費も経済も下がり立ちいかなくなる。 アベノミクスは成功しているかの
 ようにマスコミは言うが、内実はこうなっている。 円安効果で輸出産業は一定の景気回復はあるが、
 輸入の原材料や食料品は値上がりして、賃上げもなく追いついていない。


 日本で働いている人の7割は中小で、一部の大企業が潤っても個人消費は上向かない。 アメリカで
 流行した大企業から中小、零細へとトリクルダウンする事は、現実の日本では無い結果となっている。
 一部の上場企業は最高益をあげているが、中小零細は景気は良くない。 株主に配当し税金も払い、
 大企業にある残ったお金は304兆円もあり、これが内部留保。 1億円以上の富を持つ富裕層が世界
 には2014年、237万人もいて、9万人増加している。 いわゆる株高ででている。


 問題は膨大な内部留保。 膨大な富が実際の経済に投資されないのが問題。 中小零細に利益還
 元をしていない。 働いている人に、滴もしたたり落ちたりしていない。 日本だけでなくEU.アメリカ
 と世界が共通して抱えている課題。 労働者の賃金や社会保障に、しっかり回され使われていない。
 安倍首相は雇用が100万人増えたと言うが、非正規が増えたにすぎない。 正規は9万人減り非正規
 が増えた事は自慢できる話ではない。 有効求人倍率は1.12倍あるというが、調べると正規は0.66
 倍であり、年収200万以下のワーキングプアが30万人増えて、貯蓄なし世帯が増えているのが内実。


 かつて日本は1億総中流と言われた時代があった。 いろんな意見があるが中流とは年収800万〜5
 00万円で、現在は3割しかいない。 女性は年収400万円以下が8割で、これでは女性が輝くとは…
 安倍首相が強調するトリクルダウンは、中小を含めてほとんど波及していない。 円安で生活必需品の
 物価上昇して、苦しくなっているのが本当の生活実感。 格差や貧困が拡大しているのが現実なのだが
 TVや新聞が、このような実態を言わないのは恐ろしいこと。 世論を含めてコントロールされている。


 2015春闘について、連合は物価上昇分は要求していない。 なぜかと言うと経営者側は、企業に要求
 されても困るから。 しかし、私たちは賃金で生活するので物価上昇分を要求するのは当然あたりまえ。
 最低3%ないといけないのに、連合は2%となっている。 各産別や単組で話をして、ぜひ考えていただ
 きたい。 政労使でベースアップしてデフレ脱却する合意文書を結んだと言われるが、本来政府がすべき
 ことではない。 賃金に国が関与するのは社会主義経済と同じなのに、アベノミクスが思うように進まず
 順調に景気回復していないので、首相が言わざるをえない状況。 アベノミクスがうまくいっていない証拠。


 あと1ヶ月で2%以上のベアを勝ち取り、足並みを乱さないようにするのがポイント。 大手が3月中旬に
 決まり、4月〜5月中旬には地場中小の春闘へと続く。 闘いの出発点は、労働や生活の実態にある。
 みなさん、自分の春闘の要求はできていますか?自分の要求から、みんなと職場での要求をどうするか
 職場の中で討論し積み上げて、春闘の要求書づくりをして頂きたい。 会社にちゃんと要求すること。
 人が足りないなら人員要求する。 職場で使う道具は会社に準備させるのがあたりまえ。 私たちは働く
 能力を売って会社と契約している。 実際は自腹なのが日常なのでは。 要求を部長や課長に出すこと。


 みんなで会社に対し言うから、会社も飲まなくてはいけなくなる、大衆行動にしっかり参加していますか。
 サービス残業があたり前になっている職場なら、残業代をみんなで請求しよう。 みんなで議論して決め
 たとなれば、それでいい。 1年間健康で働いて人間らしく働き続けられる雇用条件は、会社側の管理責
 任であり管理者の義務。 残業しなくていいように人を増やす、仕事量を減らすなど考えるようになる。
 30代〜40代の18%は週60時間以上で過労死予備軍と言われ長時間労働。 日本は年休取得も低い。


 36協定を締結していない企業は45%あり、日本企業の半分近くは残業協定も結んでいない法律違反。
 労働とはみんなの共同労働で成り立っている。 どれかかけても成り立たない。 みんなが協力して世の中
 は回っている。 お互いを競争させ会社の利益をあげようとすると、お互いの足を引っ張りあって団結がなく
 なり、労働組合は弱体化する。  職場の日常的な労働運動とは、働く者の支え合いをどう作っていくかが、
 私たちの闘い方となる。 みんなでやれる春闘。 みんなで行う大衆行動を考えてもらいたい。」


第4期労働講座・第4回を読む                          第5期労働講座・第1回を読む