第3期・労働講座 第6回


日 時 2014年4月24日(木)18:00〜19:30
場 所 長崎地区労働福祉会館・2F大会議室


主 催 長崎地区労
足立さん 労働大学講師 『働く者から見た日本の現状と課題』
「この1年間をアベノミクスでどうなったのかを振り返ってみたい。 成長戦略でこれから労働者に牙をむいてくる。
 マルクスに言わせると、みなさんは搾取されている。 さらに強く搾取しようとは、もっと強大な恐慌の準備をす
 ることで、資本主義の根本矛盾は解決されず、くりかえされる。


 安倍政権を支える経済学者は円安にして輸出を増やそうとしたが、輸出総量は増えていない。 お金持ちが株
 価が下がった時に塩漬けになった株を、アベノミクスで株価があがり売却した。 デパートなどで高額商品が売
 れている。 金持ちの消費拡大となっている。


 おいてけぼりになったのは労働者。 金持ちには金は回った。 労働者はこの10年くらい給料は上がっていな
 いのが実感。 非正規の割合が増えて、労働者全体の賃金が下がってきている。 2012年からは時間外労
 働が増えて手取りが増えているが、所定内給料は増えていない。 消費税も上がり物価が上がってきている。


 アベノミクスで雇用が回復してきた中身は、無職だった人が就職して非正規労働者になった。 非正規として
 就職できたと意味する。 働くより生活保護を受けたほうがいいとなってしまうので、生活保護費を下げてしま
 えば逆転するので減らしている。 シングルマザーで子ども2人だと、最低賃金は2000円でもギリギリ。


 世界のOECD加盟国で大学の学費が無料、給付型の奨学金がないのは日本だけ。 日本の奨学金は貸与。
 金貸しで、給付はあげるというコト。 卒業しても、非正規で払えずにブラックリストに載る人もいる。 少子化
 と言われるが、若い人に正規で長期の雇用を与えずに、出生率の問題と言っている。 全体の38%は非正規。


 今、支配している人たちは日本人など、どうでもよく外国人労働者を入れようとしている。 子どもを作り再生産
 できない種族に日本人は、なってきている。 外国人を入れようとしている経済界。 保守派も安倍政権も矛盾
 しているのが今の日本。 労働者の不安に火がつけば、政権もコントロールできなくなる。


 不満やクレームが高まってきている。 政権にいつ、その矛先が向けられるかわからない。 昔から、心理学的
 には単純で敵をつくろうとする。 韓国や中国などナショナリズムを煽り、敵をつくりまとめようとする。 軍事産業
 を支援して、武器輸出三原則もなくなり経済対策として、自衛隊の地位を高めて戦争する国作りが進んでいく。


 春闘の要求書提出は300人未満の組合でも、2.8倍になっている。 今まで要求書を出していない組合が今
 年は出してもいいんだとなった。 大手は少しの賃上げで、サービス残業させればすぐに取り戻せる。 資本家
 は6月の成長戦略で労働法制を見直そうとしている。  これからは、業界の再編成や合併が進むと思います。


 どの職場でも派遣にしようとしている。 限定正社員は勤務地限定が大きいが、資本側としては事業所がなくな
 ったら解雇したい。 事情で動けなくなった正社員を限定正社員にする。 言われた事を全部認める人のみ、無
 限定正社員にしようとしている。 本気で闘う労働者がいると裁判で負けるので、取り除いておこうとしている。


 消費増税で輸出産業は増えれば増えるほど還付金が増えて、上がるだけで輸出産業は潤う。 資本家はいい
 とこ取り。 自分たちの税金は25%下げろとし、みなさんの消費税は上げろというのが今の資本家の言い方。


 日本ではサービス残業がものすごく多く、みんな黙って残業をつけずに働いている。 入社して、先輩から超勤
 のつけ方を習った事がないという。 大きな問題にしないといけない。 職場の中で小規模の学習会を開いて自
 分たちの働き方を見直してほしい。 自分の賃金、雇用だけでなく非正規も組合に入り、一緒に闘う事が重要。」


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