第2期・労働講座4
第2期・労働講座 第4回


日 時 2013年2月21日(木)18:00〜19:30
場 所 長崎地区労働福祉会館・2F大会議室


主 催 長崎地区労
杉田さん 熊本学園大学 教員・労働大学講師 『社会の歴史と資本主義』
「1970年代終わりまで東ドイツへ留学して、東ヨーロッパを廻り東ドイツの崩壊をこの目で見てきた。 社会の歴史
 の中で資本主義がどういう位置にあって、将来どうなっていくか皮膚感覚で討論していきたい。
 資本主義の社会は長い歴史の中で、会社が中心となる社会。 会社はなにが大切か、会社は儲けなければならない。
 毎年の利益でこれくらいでましたよと数字で表し、儲けた分を株主に配当し、ほとんどが内部留保されている。
 賃金は材料やモノ、原材料費。 公務員の嘱託やアルバイトは物件費として、モノで計上されている。

 
 資本主義は会社が主人公。 会社側は特別損失として前年度に計上するのは、首を切りますよという事。 
 普通は固定負債。 これはおかしいぞと思わなければならない。 働くみなさんが数字を読んで分析し、雇用を確保し
 首切りを阻止しなければならない。 学習を通じて闘う力を養い、形成することが大事。
 ドイツでは一番強い金属労組の次に、統一サービス労組がある。 公共サービスである公務員労組と、民間サービス労組
 が一緒になっている。 賃金も一緒なので、賃上げ6.5%を要求してストに入った。 ベルリンの病院もストに入った。
 

 空港のアルバイト・パートも1時間16ユーロ(約2000円)を要求しストに入り、空港がマヒして経営者は時間給を
 14ユーロ(約1700円〜1800円)にしてくれとなった。 ドイツでは制度として労働組合が権利を勝ち取っている。 
 ドイツの労組は青年部を育て、小中学校で労働組合が正規の授業で、労組の必要性を教えている。
 資本主義の中で一番の問題は貧困。 貧困の底辺層は不安定な生活から、外国人排他などナショナリズムに行く傾向がある。
 中国では愛国だったら、国家を愛するがゆえに何をしても無罪という考え方。 愛国無罪を考えて行く必要がある。


 貧困が人間の社会を潰し壊す、人間をも潰す。 そこでドイツでは労組が資本主義社会から、人間の社会にしましょうという
 運動を提起している。 貧困をなくし平等にする理論的学習と、当局とどう闘うのか2つの学習の内容を細かに計画している。
 ドイツの労組は人間社会を取り戻そうと運動している。 安心できる社会にしていこうというのが戦略的中心に据えている。
 みんなで一緒になって人間がすべてのモノサシ。 金儲けや資本がモノサシではないという労組のスタンス。
 

 ドイツの労組の青年と、日本の労組の青年との交流をはじめた。 セミナーを3人3人で、3日間テーマごとに行い議論する。
 むこうは鍛えていて、青年部の活動でいろんな関心を持っている。 推薦される方がいれば、むこうの青年たちと交流させたい。
 将来を引っ張る若い人を、育てていけたらなと思っています。」


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