小笠原さん 労働大学講師 『働くものから見た日本と世界の今』
「労働者の反抗がヨーロッパでは、頻繁にゼネストが行われている。 日本のマスコミはTVで流さない、意識的に
操作している。 フランスやドイツでは、労組+市民団体が緊縮財政に反対する集会を開いている。
ほっといても自動的に資本主義は崩壊しない。 労働者を犠牲にしながら、資本主義は維持され延命される。
新自由主義経済か、社民主義的政治かの選択をめぐる激烈な階級闘争といえる。
日本に約170万人いる億万長者。 純金融資産1億円以上保有している人を富裕層と言います。 1.8%の
富裕層が日本全体の2割の富を保有していることが、TVでは言わない実態である。 いかに大企業に生産と
資本が集中しているか、独占資本の支配。 数少ない大企業のために法人税が下げられる。
大企業の内部留保は120兆円。 実際の経済に投資されず、証券や国際に投資される。 労働者には回ってこない。
2002年〜2007年、戦後最高益を得て経営者の報酬は1.7倍に。労働者には賃下げや首切り合理化が進められた。
日比谷に派遣村ができ連日TVで放映され、政府も動かざるをえなくなった。 約200万人の非正規労働者があの時、
首を切られた。 労働運動の流れは必ず転換の時が来る。 公正、平等、格差をなくし平和憲法を守るのが、日本の
社会民主主義。 ヨーロッパなみの政治を求めるような、流れになってきた。
必要なのは、非正規をなくし労働者の賃上げをすること。 さらに非正規労働者から正規労働者へ転換させることである。
消費が増えれば内需を含めて企業の売上が上がり、税収も上がる。労働者の賃金を増やすことで疲弊をなくす、そういう
経済に転換するのがポイント。
日本の労働組合の組織率は18.5%しかない。 10人に2人しか組織されていない。 まともに闘う労組はもっと少ない現状。
公務員の賃金削減で、余った税金を大企業に回せ、優遇制度をとなる。 公務員の賃金が下げられれば、中小はもっと下げら
れる。 中小と公務員労働者は、お互いに支え合って闘うかが課題になる。 地区労が果たすべき役割はかつてない程大きい。
地域から労働運動を再建し、地区労の中で交流するのが重要。 春闘で赤旗を立てなくなったが、檄布をもって応援に行くのは
できる、行って激励することは大事。 運動するのに不足しているのは活動家である。 学習会を通して活動家をつくることが
求められている。
このような学習会を各組合でも計画し県下へ、さらに九州へと広げて頂きたい。 労働者の社会的影響を強めていくことに
展望を見いだせる。」
第1期労働講座・
第6回目を読む 第2期労働講座・
第2回目を読む