第8期労働講座 第3回
                

日 時 2019年1月29日(火)18:00〜19:30 
場 所 長崎地区労会館・2F大会議室 


主 催 長崎地区労
 
中川弁護士 (諫早総合法律事務所) 『労働法の基礎と活用〜闘いの武器に』
「働き方改革関連法は、労働弁護団でも反対運動をしました。 労働者にとってアカン所以外に、メリ
 ットも多くイイ所もある。 弁護士から見て使える改正は、月60時間を超えると割り増しになるのは
 大きい。 大手は150%で中小は125%のままだったのが大手と同じになったので、残業代が増
 える事になる。 法律で健康管理の観点から、労働時間の把握を義務づけた。


 高度プロフェッショナル制度は安倍政権がやろうとしたが批判を浴びて、過労死が社会的に報道さ
 れ、労働者の為になりそうな改革をして、この法案に入ってしまった。 労働時間規制を一切外し、
 深夜や休日労働を適用しない。 高所得者で対象者が限定されるが、ゆくゆくは年収も下げると批
 判された残業代ゼロ法案。 弁明しているが、警戒してこんな制度を導入させないのが重要です。


 時間外労働の上限規制は、弁護士でも理解するのが難しい内容。 これまで法的拘束力もなく、抜
 け道もあった。 36協定で特別条項があり、事実上無制限なムチャクチャな時間外に法律で上限を
 はめたが、平均をとってなどヤヤコシイ。 私だったら月80時間にすればいいのにと思う。 今年4
 月から施行だが、上限を規制するとトラック業界が崩壊するので適用が除外される。 36協定の指
 針は団交で使えるでしょう。 安全配慮義務が会社にあり、過労死に気をつけないとイケナイ。 


 18年前から過労死ラインは作られていて、月80時間超えを国が認めていた。 月100時間超える
 と心臓疾患など関連が強い。 上限規制の対応は、これまでと違う管理方法になりヤヤコシイ。
 企業はホンマにできるんか、もっと単純でよかったんじゃないか。 今回の改正で10日以上の年休
 が付与された労働者に対して、年休を使用者は1年以内に5日間を取得させるのが義務になった。 
 取らせないといけないが、年休は使用者が日にちを勝手に決めるのではなく、労働者が要求する日


 に取らせるのが当然となる。 年5日以上有休を取る人に会社の義務はナイ。 絶対的に必要な休
 日になり、就業規則を変えないといけない。 年休計画表を作り、希望日を決める。 5日あげさせて
 先に決めるか、労働者が半年で2日しか取ってないのを見て、いつ取得するか聞いて様子を見て決
 める方法もある。 危惧するのは5日取らせずに、今まで休みだった日や土曜日を労働日に変更して
 しまう事。 使用者の言い訳として、年休を指定しても労働者が出勤してきたなど、形だけにしてしま
 っても、取得させないと法律違反になる。


 非正規の均等均衡待遇のガイドラインが決定された。 同一労働同一賃金は、非正規の待遇を良く
 しようという目的。 やっちゃイカンのが正規と非正規の差を解消する為に、正規の待遇を下げるの
 はダメだと書いてある。 実際、郵政ユニオンの裁判では会社が負けるとなると下げてきた。 国が
 ガイドラインに書いてあるのに。 法律でないので絶対ではナイが、ガイドラインは問題とならないと
 して、果たしてオカシクないのかという視点を持ち、活用して日本社会を変えていかないといけない。
 いろんな部分で差別されている非正規は多い。 同一労働同一賃金の問題。 今回使える改正は
 たくさんあり、使える部分は使い、悪用される部分は警戒して労使交渉にあたって頂きたい。」




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