第3回言論ながさき市民講座


日 時 2017年4月15日(土)14:00〜16:50
場 所 長崎県勤労福祉会館・2F講堂
参加費 資料代500円


主 催 言論の自由と知る権利を守る長崎市民の会
共 催 長崎マスコミ文化共闘会議
言論の自由と知る権利を守る長崎市民の会 司会
「NBCのOBです、今回の市民講座は長崎マスコミ文化共闘会議と共催しております。」


言論の自由と知る権利を守る長崎市民の会 会長 (元長崎新聞 編集委員)
「沖縄の辺野古へ施設が着工して緊迫した状況。 第一線で奮闘されている記者に、現場の生の声を
 聞いて学習していきたい。 終了後に質問など、あわせて行っていきたい。」


マスコミ文化共闘会議 議長
「長崎のマスコミ5社の労働組合で作っている団体です。 朝鮮半島における米軍の動きも活発化して
 いる中、来月にある5・15沖縄平和行進へ行く前段の勉強として学習します。」
滝本さん (琉球新報 記者) 『沖縄問題を考える』
「沖縄県マスコミ労働組合協議会が編集した映像をご覧頂きます。 基地問題担当の軍事専門記者
 として取材しておりました。 基地があるがゆえに絶えない事故、榴弾の破片で車が傷ついたりな
 どあります。 敗戦後アメリカの執政下で27年あった沖縄、1972年5月15日が日本復帰の日で
 毎年、全国から平和行進に来ている日。 復帰の時は今ほど沖縄に基地は集中していなかった。
 海兵隊もいなかった。 岐阜や静岡に基地があり、朝鮮戦争の時に増派され休戦し戻ってくる時に
 本土で反対運動が起こり、関東の米軍基地なども沖縄に移ってきた歴史。


 世論調査で辺野古へ新基地建設反対が84%と選挙の結果に反映されている。 辺野古はNOだ
 と何度も示されている。 自分の地域を自己決定したいと、地方自治のありようを示している。 
 他の地域でもあてはまる、原発再稼働など地域の意向としてどうなのか。 国策で無視される、今
 の日本の民主主義をどう考えるか。 翁長知事の『うちなーんちゅ、うしぇーてぇーないびらんど』と
 は、沖縄人をないがしろにしてはいけないと、政府に対する知事のメッセージ。


 日米修好通商条約があるが、アメリカはその前に琉球國と条約を結んでいる。 アメリカはひとつの
 独立国として扱っていた証。 明治政府に藩として日本に併合され、琉球の歴史は閉じた。 新基地
 建設も、新たな琉球処分ではないかと言われる。 復帰以降43年間で129件の米兵による強姦事
 件が発生しているが、警察が逮捕や起訴の立件した数字で、被害者が取り下げたり泣き寝入りの数
 は入っていない。 県警は基地の中を捜索できない、日米地位協定が障壁になっている。


 米軍機の墜落は昨年のオスプレイも入れて復帰後45年間で47件ある。 事故後は民間地でも米 
 軍が規制して県警も消防も入れない。 問題になりガイドラインができたが、昨年も守られていない。
 昨年、記事は墜落と表現したが、政府は不時着水と言っている。 米軍はハードランディングと言う。
 クラッシュじゃないと過小評価し、押し込めようとする。 上空から撮るとグシャグシャになった機体。
 現場での確認が大事。 海で起きた事故なので海上保安庁が捜査を申し入れたが、できないまま
 アメリカ側が機体を切断し、残骸を回収した状況。 飛行モードで滑空したとも専門家に言われる。


 風圧でプロペラを回すオートローテーション機能がオスプレイは重すぎて効かない。 巻き上げた土
 煙が原因で、エンジンに吸い込み不具合が起きてハワイで墜落した。 飛行モードではプロペラが
 地面に着いてしまうので、ヘリモードでしか着陸できない。 夜間飛行は控えるとあるが、増えて苦
 情の電話もある。 空中給油は構造上難しく、プロペラ損傷しやすいが墜落原因はあきらかになって
 いない。 オスプレイは普天間から九州のイエロールートの他、本土にも飛んで来る。


 基地と経済について、基地関係の収入は5%と、復帰の頃と比べ観光収入が逆転している。 普天
 間基地返還で算出すると、雇用や収入など55倍の経済効果があり、基地より返還して開発した方が
 上がると、実際返還された跡地の実証がある。 普天間は以前から集落があり生活の場で誤解され
 ている、接収され基地になった。 最大の障壁は日米地位協定にあり、これが憲法を上回る位置に
 ある。 沖縄の独立論は、居酒屋独立論と言われ酒の席での話。 世論調査でも高くない、ゆったり
 した沖縄。 独立を議論すべきと学術的研究はあるが、県民はそこまではなっていない。 


 沖縄のメディアの立ち位置、新聞は中立公正とあるが、なにが中立で公正か真ん中なのか。 そも
 そも中立の意味はない、多様な意見を載せる意味はある。 どのニュースを載せるかで個人的には
 なるが、住民にとってどうかが判断基準になる。 戦争の戦意高揚に加担した、昔のメディアの経験
 を踏まえ、沖縄戦で集団自決・マインドコントロールされた悲劇を起こさせない為、住民の立ち位置
 で国の政策の立ち位置ではないと思ってやってます。 住民の視線に立った報道を心がけています。 
 国の押し付けに抗う事が通らない事が共謀罪にも繋がるが、自分には関係ないと思っていた事が、
 自分に関係していたとなる。 地方自治の観点や民主主義とは自分の問題として考えていきたい。」


マスコミ文化共闘会議 事務局長
「NIBで報道カメラマンをしており言論の会の幹事もしています。 労働組合として、5・15沖縄平和
 行進にも参加して交流を深めていきたい。 『政府は国民を飢えさせない事、戦争させない事が大
 事』だと言った菅原文太さんの言葉。 若い頃、ジャーナリストの基本は戦争反対だと言われてきま
 した。 本日は多数の参加、ありがとうございました。」




第2回言論ながさき市民講座を読む               第4回言論ながさき講演会を読む