長崎県教職員組合 中央執行委員 (実行委員会 司会)
「Webからも参加、ありがとうございます。 只今から開会致します。 主催者あいさつ、基調報告の後、
 講演となります。 私のクラスの子どもが、学校はブラック企業だと言っています。 
 世論を広めていった、講師の内田さんに名古屋から足を運んで頂きました。 教育環境をどう変えて
 いくか、みなさんと話合っていきたい。」


長崎県教職員組合 執行委員長 (実行委員会 実行委員長)
「長崎県の教育を良り良い方向へ向かわせようと実行委員会をつくり、今回のテーマは教職員の働き
 方。 社会問題にもなり、ある程度共通認識にある。 かつて花形職種で多くがなりたいと採用試験
 があったが、働き方が過酷だと知られ、減ってきている。 育休や病休で教頭などが、どうにか授業
 を成り立たせているが、不在で穴があき、相当高齢の方まで、教育委員会から呼び出されている。
 

 学校は民間を経験すると変な事がいっぱいある。 改革していかないと。 ずっと前例を踏襲する
 ままでは、いつまで経っても改革できない。 やりがいがある仕事であるがゆえに、思考停止とな
 り、歯止めがきかない。 行事や取り組みを問い直さないまま進んでいる。 昨年は働き方の問題
 を語って頂いた。 今年はメディアに登場されている内田先生に、語って頂きたい。」
長崎県教職員組合 書記長  『長崎の教育現場の現状』
「文科省が2021年3月に教員とはやりがいある仕事だと、つくったWebサイト、『教師のバトン』。
 掲示板のようなモノで、教員なんてやっていられるかと炎上した。 長崎県教職員組合で相談を
 受けた事象を紹介していきます。 教育研究会に入るのを断ったら、人事評価に影響するぞと言
 われたのはパワハラ。 校長交渉で謝罪させたが、目を光らせないといけない。 6:30の出勤
 記録を8:30に変更してほしいとは、労働基準法違反。 育児休暇中に、代わりがいないので、
 学校に出て来いとは、休暇中に働かせてはいけないという認識がない。 定年延長で65歳まで
 

 退職金はでませんと言う。 退職金は途中でも退職した時にでるのに、校長の説明はオカシイ。
 長崎県では臨時採用や、再任用は1年で学校が変わり、1年かけてつくった人間関係が切れる
 ので悪循環。 3年の離島勤務後に、あと3年とは人生設計にも影響を与えるので、本人の希望
 を聞いて欲しいと要求を出しています。 うちの学校はブラックと呼ばせないと、水曜日は定時
 退庁で18:30には帰りましょうと、堂々と書いてあるのは問題。 天下の悪法、給特法で
 時間外勤務がオカシイ。 法ができた頃は16:30に帰ろうとあったが、グズグズで今の状態。 
 私たちの時間外労働は毎年踏み倒されている。 給特法の廃止を求めているところです。」




内田 良さん (名古屋大学 大学院 教育発達科学研究科・准教授)
                   『学校のリスクを見える化する部活改革から働き方改革まで』
「長崎の私立高校で運動部顧問の女性が、部活動で時間外の未払い賃金を求めた裁判で、11月8日
 に長崎地裁で和解が成立した。 学校側が労働時間と認め、解決金185万円を支払うのは異例。
 訴訟に持っていき、残業代が貰えたのは画期的な事。 ある程度知識があり、信念の強い人が
 闘った。(全国一般長崎合同労組) 一方、公立の学校では超勤訴訟は負け続けている。
 教員の働き方改革は2016年にTwitterで、部活動がしんどいと広がった。 子どもの為とやって
 きたが、これからは削るという事を踏み込まないといけない。 見える化すれば、ひとつずつ進んで
 

 いく。 見えないと同じ事を繰り返す。 倒れてもやりましょうと、聖職者として犠牲になってがんば
 っちゃうプライド。 働き方改革は難しい。 学校ではまだまだ、ガンバリマスという風潮がまだある。
 部活やりたくないと職員室で言ったら、授業だけでいいのと攻められ、やらされる。 匿名でしか言え
 ない。 教員の残業が大きくなっていったのは、やれば戻ってくる魅力があり、ついついやってしまう。
 子どもをちょっと元気づけて伸びる事がある。 教員の働き方はちょっとじゃナイ。 魅力だけじゃ乗
 り越えられない。 結局、教育界全体の問題だと認識しないといけない。 自分が好きで残っている
 

 と言う人、過労による死亡は人を選ばない。 そういう人ほど、子どもの為という残業が感染する。
 若い人がこの感染症にコロナの何倍もかかる。 他の人にも感染する。
 週2日の掃除を5日に戻したいとあり、一緒になっての掃除、絆の為に週5日もいりますかと。 
 働き方改革が進まない原因。 残業代の計算が必要になると考えると、初めて真剣に考えはじめ、
 その結果、子どもや先生の負担も減る。 お金や時間に関係なく働く、教員文化。 お金や時間を、
 マネージメントしないといけない。 どれだけ残業代のコストが発生するか、バッサリ切らないと。
 

 校則の問題も、働き方改革で違った現象が見えた。 早く帰っても16時まで家にいなさいとか、
 外泊禁止とか、拘束する校則は、どう考えてもオカシイ。 あきらかな越権行為で、学校とは何様。 
 なぜ、こんな校則が出来上がったのか。 教員の働き方の特徴は、平均11時間も学校にいるのに
 タイムカードが無かった。 出退勤管理が印鑑のみでは、何の時間管理もしていない。 時間管理
 しないから、長時間労働なんですね。 限られた時間の中で最大のパフォーマンスを発揮するのが
 労働者。 50分でチャイムが鳴る厳しい時間管理、民間だとここまで区切らない。 


 教員の時間管理がユルユルとなったのは、給特法の概念によって残業はない、定額で働かせ放題。
 ひと月10万円くらい残業しているが、先生方は調整額で搾取されているのは、許されない。
 コスト意識を失った教員をつくる。 教育でお金の研究をしている人はいない。 学問として手薄
 であり、勤務時間を忘れて50年が過ぎている。 公立校の残業代訴訟は、北海道で負け、埼玉でも
 認められず、最高裁へ。 残業の概念がない法律の元で、さんざん働かせ、気の毒でしょうがない。
 校長や教育委員会は好きで働いていたと言うんですよ。 だからこそ今回、長崎の私立高校での
 

 働いた対価を払うというのは、給特法を考える大きな追い風になる。 今、法制度が変わり、非常勤
 への残業代が支払われている。 国立でも労基署の介入があり、公立だけが取り残されている。
 ようやく国も2022年4月から始まったとはいえ、労基法ではナイ。 管理はするけど、依然とし
 て給特法のまま。 持ち帰り仕事も概念に入っていない。 どうするか大きな課題として残っている。
 休憩時間に働いたらカウントしなさいとある。 土日の出勤、4割の先生が申告していないが、働い
 ているのにあり得ない。 給特法を見直し、廃止して教員だけ別ではなく、民間に合わせていけば
 

 イイ。 変形労働時間は暇だったらいいが、閑散期と繁忙期を移すと残業でなくなる。 導入して
 欲しくない場合、どれくらい忙しいかで反論できる。 教員は8月に休んでくださいと言うが、夏休
 みも短くなり、年休はいつ取れるのか。 部活動で運動部の顧問の半数は素人。 半分は顧問をやり
 たくないと答えた。 ウチの大学も部活はあり、18歳まで頑張ってきて途絶える。 燃え尽きて終
 わっている事実。 僕は途絶えた後を見ている。 今もやっていますかと、持続可能かを問いたい。
 強制的にする必要はナイ。 楽しく広がり続いていく事を展望している。 2006年〜2016年


 の調査で休日の部活指導が加熱してきた。 多忙の教員に変わり、民間の塾が補習をしているという
 カオス。 子どもの運動能力を心配するなら、体育の時間を3倍にして、変わりの時間を減らさない
 といけない、これが制度設計。 組み込まないと。 部活動は自主的な時間。 国語の授業で土日も
 来なさい、朝国語(朝練)や昼国語(昼練)とはならない。 時間が決まっているが、部活は枠が
 ナイ。 頑張った子どもを超える為、もっとガンバル。 過熱が止まらない。 上から歯止めをかけ
 ないと。 地域移行へ8割の教員が賛成し、部活は民間クラブチームへの移行でイイと思っている。 


 労基法がなく、子どもの為に頑張りましょうと続いている。 上限規定が必要だと思います。 プロは
 オフがあるが、部活は年がら年中やっている。 教員は休憩時間0分が半分、4割は休憩時間がある
 事も知らない。 休憩時間が組み込まれていない学校は、教育委員会は入れるようにしか言えない。
 力のある弁護士と組合のサポートで裁判に持ち込んで、闘って勝ち取った事例。 ETCの通過時間
 で過労死が認定された裁判。 労働組合は味方になってくれます。 今、多くの人が相当に理解して
 教員を応援してくれている時代。 保護者、地域住民と、教育を考えていく時代にしていきたい。」 
 
   
2022長崎県教育を語る会
ブラックな学校現場の現状と生き抜くための方法


日 時 2022年11月12日(土)13:00〜16:00
場 所 セントヒル長崎


主 催 長崎県教育を語る会実行委員会