妹尾昌俊さん (教育研究家) 『働き方を見つめ直す理由と方法』
「先生方の勤務時間と、生徒の時間が合っていない。 レストランだと開店前に客がいるような状態。
8:30の登校時間に切り替えた学校。 留守番電話の設置も増えてきた。 定時退勤日が定時でな
いという話。 変えていく必要がある。 業務改善の提案を校長にすると、これまでの経緯や伝統が
あるとか、他校はやっていない難しいとか、全然進まない。 今後どうしたらいいかとあります。
1966年ビートルズが来日し、日本武道館を使いたいとあり大反対だった。 武道の聖地を汚すの
かと。 今となってはミュージシャンにとって、武道館は重要な会場になっている。 伝統は切り替わ
った。 学校も子どもの視点で見ていない。 校長や同僚たちと、もうちょっと話をしてみること。
学校は緊急対応が多く、企業と違い色々なケースがある。 見直す為の会議をやるのが負担になる。
目の前の事に一生懸命で、少し立ち止まり検証してみましょう。 例えば修学旅行、感染症対策など、
どうするかの話。 そもそも修学になっていると言えますか、経済負担が大きい家庭もあり、いろんな
問題がある。 ヤメロとは言わないが、そもそも何の為なのか、立ち止まって考えよう。 研修会も。
都市部の学校では人口減少がピンとこないので、修学旅行は人口減少している所に行く。 SDGsと
か地域の持続可能性の探求をやっている。 26歳で亡くなった熱血教師の過労死。 30〜40歳も
結構亡くなっている。 部活動に熱心な先生が亡くなっている。 連続勤務でノンストップ労働となり、
知らず知らずのうちに疲れていく。 労働時間が長い人は、健康に問題があると話をしていく必要が
ある。 勤務インターバルを設けないといけない。 月80〜100時間の過労死は、時間を超えなけ
れば大丈夫でない。 45時間超えると健康障害が高まる。 下回っても大丈夫ではない。 マルつ
け添削に、過労死のリスク抱えてまでやるんですか。 先生方の過労死や自殺をゼロにしたいと、過
労死防止で中央教育審議委員会に30代で参加しました。 校長とか文科省は長時間労働に耐えて
きた人。 偏ってる可能性がある。 部活動が大好きな先生、嫌いな先生と二分されている。 スポ
ーツはやりすぎるとケガや病気に繋がる。 休養日には理由がある。 部活の意義、子どもを壊して
はいけない。 子どもの自由時間もなくなる。 先生はブラックだと言われるが中学生も大変、課題や
宿題などヤリスギ教育。 残業の練習をさせているのか。 授業中に励まして子どもは伸びる、頑張
る人も増えた例。 コメントを毎日、書いて返事する先生もいるが、必ずしなくても話をするだけでも
イイ。 定時で帰っても熱心は可能、改善の余地はある。 業務改善は個人の問題だけでなく組織
の問題。 大手では週休3日となってきている所もある。 子どもは週休1日もない、考えましょう。
子どもの為と言って、本当になっているか。 半分YES半分NOが世の中イッパイある。 一方で多
忙は解決しない。 定年前に介護などで辞める先生もいる、離職する方も多く、毎年6千人も雇うの
は大変。 現役の先生を大事にするのが大事。 企業は離職率を気にする、育てて辞められるのは
痛手。 学生もわかっていて、御社の離職率でブラックかどうかわかる。 離職率の公表を議題にし
ているか、教育委員会は知っているのか。 教員の間で話をしてもらいたい。 学校の統廃合で部
活動が維持できなくなる。 大会を目指さない部や、エクササイズ的な部があってもいい。 日本は
バスケ部はバスケしかない、文化部も時には別の事をやってもイイ。 コロナ禍で、卒業式も簡単
になり、来賓もいらなかったと気付いた。 行事の準備も簡素にして、コロナが終息しても戻さない
ようにしないといけない。 働き方改革で増やしてはいけない、見直すチャンス。
給特法はこのままでいいのか。 時間外勤務手当の財源がない所もある。 ただ今の調整額は基
本給の一部になり、年金にも跳ね返るので変えると賃金が下がる。 民間でも残業代が生活費の
一部になり、残業が減らないというのもある。 そもそも学校の用務で残っているのに、労働とみな
していないのはどうなのか。 横断歩道での交通安全指導や、給食費の取り立て、学校外のトラブ
ル、部活も含め必ずしも先生でなくてもいい。 学校から切り離せと。 教員以外のスタッフを増やし
てもいい。 遅くまで残ってるから良い先生というのはやめよう。 限られた時間でガンバリましょう。」
長崎県教職員組合 副執行委員長
「昨年は新型コロナウイルスで開催を断念しました。 少し落ち着き、予断を許さない状況ですが、感
染対策を行い、前回の
2019年に続いて、働き方改革について開催しました。 教育現場は忙しい。
私の学校では、時間外勤務が45時間以上は報告してもらい、ほぼゼロになりました。 定時退庁を
めざして17:15まで出来ています。 みんなの意識を変え、少しずつ変わっていく。 できる事から
一歩ずつ仲間と一緒に、働きやすい持続可能な学校現場をつくりましょう。」