2019長崎県教育を語る会


日 時 2019年11月9日(土)14:00〜16:30
場 所 長崎市民会館アマランス研修室1・2


主 催 長崎県教育を語る会実行委員会
長崎県教職員組合 中央執行委員 (実行委員会 司会)
「今回の教育を語る会は、主催者あいさつの後に、シンポジウムを開催し、講演を行って頂きます。」


長崎県教職員組合 書記長 (実行委員会 実行委員長)
「働き方改革とは、国が自然にさせたのではなく、私たちが集会などで訴えたモノ。 教員のブラック
 労働からの解放。 今、大学生が教員免許を取らない。 実習まで出ても、教員にはならない。
 県の教育委員会と確定交渉で、賃金や労働条件、働き方を議論する。 人を増やしてくれと言って
 も、県の財政は底をついて増やせない。 業務を大きく減らすか、人を倍に増やすか実現したい。」
 
長崎県教職員組合 副執行委員長
「学校の先生って、どうしてそんなに忙しいのというテーマで、お二人の先生に話をしてもらいます。
 全国的に学校の先生の働き方が問題になり、政府も動いて長崎県でも管理職や教育委員会から、
 言葉が聞かれるようになった。  ICカードによる管理も行われましたが、本当の意味での働き方
 改革をどう思うか。 率直な意見をお聞かせください。 この10年で過労死の公立教職員は全国
 で63人です。 認定までいってない方も、たくさん亡くなっています。 まとめて休みをとらせる、
 変形時間労働制は、働き方そのものが改革されず、状況は悪くなる。 解決の糸口を探りたい。」


長崎県教職員組合 県北総支部
「小学校の教員です。 育休を取って職場復帰したので、特に忙しく感じます。 朝は8:20勤務で
 すが、7:50には学校。 7時前に来ている先生もいます。 休み時間も子どもの指導や、泣く子
 の世話や、連絡帳に目を通し、ノートの添削で休憩時間はありません。 15:50退勤時刻です
 が、授業の準備などで帰れず、印刷物や持ち帰りにくい仕事を済ませると、18:30くらいになり、
 あわてて保育園に迎えに行きますが間に合いません。 延長保育料が発生します。 平均すると
 2時間の超勤ですが、休憩時間も休みなく働いているので3時間近くになります。 独身男性で
 68時間も働いている先生もいて、私より早く出勤し遅く帰る人もいます。 定時に退庁するよう
 言われても量は減らないので疲れを口にする人が多い。 イキイキ働ける職場改革が欲しい。」


長崎県教職員組合 長西総支部
「中学校の社会科の教員です。 朝は7:40に到着。 17:00から野球の練習、試合が近づくと生
 徒たちとノックして、グランド整備して18:10に終了します。 生徒を帰し、職員室で19:00〜
 退勤。 土日も部活があり92時間、平均1日4時間以上となるが、学校の中で私は平均です。 
 校長が体育教師だと学校をあげて部活に力を入れる。 部活動の存在をどうにか変えないと未来
 永劫続く。 専門性が無くても部活を担当させられるのも問題。 6時台に出勤して、帰りは20時
 21時まで、がんばる先生もいます。 以前サッカークラブチームが蔓延した頃は、礼儀作法マナー
 など教員が入らないといけないと感じた事があります。 子どもの数が減り、休部になる問題も出
 てくる。 私たちも働いているので、明日の為に休まないといけない。」
 
青木さん(日本女子体育大学 教授) 『あなたは何が変わりましたか?教職員の働き方改革』
「学校をブラックから解放する、本のタイトルは最終的に出版社につけてもらいました。 教員の働き
 方改革は部活動の問題を改善しないと成功しない。 ロンドンやベルリン、ワシントンの学校を見て
 部活動を聞くと、え?なぜ教員がという位置づけ。 学校っていうのは労働の無法地帯。 なぜ学校
 は忙しいのか、勤務実態を調べたのが1回目は1966年。 2回目は2006年に、財務省が調整額
 の4%に目をつけて吸い上げようとした。 中学校は8割が過労死ライン。 忙しさの背景は3つある。
 

 規制改革が始まり、働き方が変わった。 ’80年代には臨時教師の自由化論。 次に学校5日制で
 徐々に絞られる。 対抗勢力である教職員組合の力がなくなりつつあった事も大きな原因。
 日本の学校教育のベースに教員の聖職性があった。 24時間子どもに関わっていかないといけな
 いとなる。 今でもある日本型教育。 教員の働き方は管理職もヒドイ。 東京では降任制度があり、
 友人は校長を辞めてヒラの教員になりました。 精神疾患も多く、体調が悪い教員は3割4割いる。
 学校の年間計画の見直しや、学校閉庁日など新しい取り組みもあるが、効果があるか別問題。
 

 日教組の調査で出退勤の管理は文科省はできると言っているが、実態はどうか。 いまだに自己
 申告が3割。 管理職による目視をカウントして、パソコン管理など自治体により違う。 学校閉庁
 日は、部活も会議も一切やらない日を、95%の学校が3〜5日くらい設定している。 岐阜は16
 日あり、教員採用が増えたという。 夏休みに振り分ける、変形労働時間の受け皿としてある。
 支援スタッフについて調査しましたが、国が言うほど教員の負担軽減はなかった。 ロンドンでは、
 カバーという制度があり、出張や研修などカバーする制度。 市の教育委員会が先生を10人抱え、
 

 支援に出向く。 かなりの負担軽減に繋がっていて、日本でも広めたい。 変形労働時間は、それ
 がイイという話ではない。 ワークライフバランスになる話ではない。 極めて変則的。 今日の疲
 れは今日のうちにとる。 まとめて取るのはマズイ。 校長はかけ声だけではダメ。 何を削るのか、
 言ってもらいたい。 都市型中心の働き方改革、中央的な考え方。 お金がある横浜ではアシスタ
 ントをばーっと付けたが、支援スタッフがいない学校もあり、地方軽視が格差に基づく。 働くという
 事は、教職員組合の本丸。 全国の労働組合のみなさんにお願いしたい。 職場のみなさまの要望
 を、キチッと伝えていく事が大事。」


長崎県教職員組合 中央執行委員
「長崎県が取り入れた学校閉庁日は、年休を使って閉庁となっています。 これも減らし、あれも減らし、
 働き方改革をどうするか、今後の交渉で労組としての存在を、気持ちを新たにしていきます。 
 教員の労働環境について、YouTubeで『せやろがいおじさん』で検索してください。」