貸し会議室
財団法人の事業
時 局 講 演 会
テーマ 我が国における雇用関係の現状について
日 時 2013年 9月18日(水)18:00〜19:30
場 所 長崎地区労働福祉会館 2F大会議室
主 催 一般財団法人 長崎地区労働福祉会館
(財)長崎地区労働福祉会館 常務理事
(長崎地区労 書記長)
「8月から一般財団法人となり、2013年度事業計画に基づき労働運動を取り巻く時局講演会を開催します。
今後、労働法改正と規制緩和をうけて労働者の首を切られやすい状況となっていく。
改正についての見方を労働組合の中で勉強していかなくてはいけない。」
中川弁護士 (諫早総合法律事務所)
「労働法を専門にしていて、昨年5月に長崎へ来ました。 大阪で弁護士の時は労働者弁護団に入っていました。
長崎県の特徴は年間総実労働時間数が、2010年全国平均は1754時間に対し、長崎県は1927時間と、
日本一長くて年休取得率も低い。 ブラック企業の問題山積など、長時間労働をこっちに来て感じました。
2013年1月に産業競争力会議や規制改革会議が設置され、経営者などばかりで労働者の代表がいない。
労働法改正が勝手に決まっていく法律の中身は、本当にひどいものですよ。 労働法制全般の改悪案は20
13年6月5日規制改革会議が提出し、14日には日本再興戦略と規制改革実施計画が閣議決定しています。
ILOの政労使三者構成原則違反でもあり、日弁連は日本再興戦略に基づく労働法規制の緩和について意見
書を提出。10ページに渡り、労働者側に立ってどこがどうか批判をしていて分析も優れています。
解雇規制緩和は、解雇でお金を払えば解雇無効にならないとなれば、労働者はよりいっそう使用者にモノが
言えなくなり委縮する。 ジョブ型正社員は現行法で十分可能で、労働条件の切り下げに利用されないように
すべき。 労働時間法制の見直しで裁量労働制は、仕事をいつまでにやるか労働者は決められない。
結局、使用者に決められ仕事量も増やされる、残業代ゼロが許されていいのかとなる。 有料職業紹介事業
改革で、ハローワークの情報を民間ビジネス会社に解放し、民間職業仲介で求職者の賃金から紹介手数料が
天引きされる恐れもある。 労働者から手数料を直接又は間接に徴収してはならない、ILO181号違反になる。
異常なまでに人材ビジネス会社を使おうと言いすぎている印象がある。 助成金もビジネス会社に払おうとする。
解雇規制の緩和しか頭にないようにしか見えない。 解雇を有効にするのは、おかしな改革。
規制緩和一辺倒で進んでいるが、派遣で本当に経済がよくなるか疑問。 根本的な疑問点。 派遣先が
実際の労働条件を決めている場合が多い。 中央労働委員会でさんざんやりましたが、団交を申し込ん
でも、裁判では認めらない事になっています。
安倍内閣の規制改革会議は日雇い派遣をやりましょう、派遣をグルグル回す事も見直しや廃止とあり、元
の法律に戻せと言っています。 今まで何の為に労働者派遣法を改正してきたのか、まったく論外。
零細企業やベンチャー企業の解雇規制を緩和、労働時間も適用除外を法律に基づいてやろうとしている。
労基法ができたのはなぜか。 労働者がどんどん安売りになり、安い賃金で長く働き解雇されやすくなる。
労働者の権利の為にあるのが無になってしまう。 労働者の声は見向きもされず、労働時間・解雇規制が
現実に着々と進んでいる。 資本家に好き放題されて、みなさん本当に黙ってていいんですか?
民主党政権下で、ちょっとよくなった労働法改正を、どんなムチャクチャな事しようとしているのか、知らな
い人が多いと思うんですよ。 こんなアブナイ法律が通ろうとしているのでビラでも配り、みんなでデモやっ
て阻止せなアカン。 雇用は守っていかないとアカンと思っています。 長崎には労働弁護団がないので
やっていきたい。」