関口さん (元NBC長崎放送 記者) 『言論の自由と長崎』
「NBCでカメラマンからはじめて記者として40年間、第一線で取材してきて今年3月に退職しました。 
 原爆やネバダの核実験場にチェルノブイリの被災者など、これまで被爆した方を取材して、番組を
 制作してきました。 今はフリーのビデオジャーナリストして取材を続けながら、言論の自由と知る権
 利を守る長崎市民の会と、安保法制違憲訴訟を支える会の事務局長をしています。 全国的に安倍
 政権と自民党の言論統制が、格段に強まっていて放送局が政治的に公平でない放送を繰り返してい
 ると政府が判断した場合は電波停止するという。 戦時中に軍部一辺倒で政府の言いなりの反省に
 立って、中立であるべきと作られた法律を盾にして報道規制する根拠にしているのが政権の実態。


 政府批判を行うマスコミ各社に対して要請文を出した。 マスコミが出演者の数や時間など公平にし
 ろと、こんなに細々と指示を受けたのは初めて。 右よりな団体からの批判や攻撃も強まり、新聞社
 やTV局は委縮した。 典型的なのはNHKの全国ニュースで、政府の広報機関になった感じで一方
 的。 国民から受信料を取り経営が成り立っているのに、政府の方しか向いていないのが実態。
 南スーダンへ自衛隊が派遣され、駆けつけ警護をするニュース。 賛成の立場の意見だけで終わって
 いる。 民放は抗議の集会やデモなど反対の声も流している。 反対意見を伝えないのは、ニュースを
 作ってきた人間からすれば、安倍政権の元に意図的にやっているとしか言えない状況になっている。


 官邸からのバッシングで、降板した後の番組キャスターたちは、政府批判のトーンが弱まっている感じ
 を受けます。 参院選でも選挙報道が減ったと言われる。 マスコミの役割は権力を監視し、国民に伝え
 るのが本来の役割だが、国民の知る権利を十分に果たしていない。 安倍政権が目指すのは軍事大国
 で、批判したり警鐘を鳴らすマスコミを黙らせようとしている。 憲法を改正すれば、海外でアメリカの手
 先として戦争へ加担でき日本は今、戦争前夜の状況。 長崎での言論統制の影響もある。 8月9日の
 平和式典で田上市長が読む平和宣言にも統制の影が感じられた。 昨年、一昨年と国民の不安が高ま
 り、集団的自衛権や安保法制の慎重審議を訴えた。 読み終えた時、安倍さんは渋い顔だった。


 文章は被爆者など起草委員会が作る。 3回傍聴しましたが被爆者以外からでも、安保法制や憲法改
 正について警鐘を鳴らすべきとあったが、批判した人を交代させ市は、安保も憲法も触れませんでした。
 市長に圧力があったのかニュースにしたが、圧力があったと見るのが自然だと私は思っている。
 8月9日の平和の誓いは毎年、被爆者5団体が交代で読んできたが、誓いの中で批判したので被爆者
 の選考を変えると言ってきた。 同じ流れの中で政府批判をさせない力が働いている、根っこは同じ。
 中央のマスコミだけでなく、地方自治体へも広がりつつある。 マスコミが政府をチェックしてより良い方
 向を目指すのが健全な民主化だと思う。 批判する勢力を抑え込むのは北朝鮮などと同じ独裁になる。
 

 スポンサーはCMを視聴率の高いところに流したいのは、宣伝効果が高いから。 ニュースも視聴率が問
 われる時代。 視聴率がいい時は何のテーマでも問題ないが落ちてくると柔らかいニュースの方が取れ
 るので、原爆とか安保や憲法改正などの固いニュースは敬遠され出しにくくなる。 スポンサーの影響は
 結構あると思われているがそれほどでもない。 スポンサーが不祥事を起こしても出さざるをえない。 
 じゃあ全部するかと言えば、ネタによっては抑えて遠慮する。 実害がないうちは見送る事もある。
 必死でやっていますが、いろんな事情や要素があってニュースを弱めたりする。

 
 メディアに対してどう対応していくべきか、新聞やTVは鵜呑みにしない。 新聞を比較したり民放を比べ
 たり、ネットで調べて本音をビシッと書いているか、出しているか見定める力をつけていくのが大事です。
 社内や組織内では努力しても限界がある。 マスコミが真実を伝えないと被害をこうむるのは国民であ
 る。 戦前、軍部のウソをたれ流し戦争に駆り立て、国民300万人とアジア2千万人の被害者を出した。
 政府の一方的な報道に対し、中にはがんばっている記者もいるし、まともにやっている時もある。 
 ローカルの報道局もおかしい時は、おかしいと抗議し、まともにしていく。 がんばっている報道には激
 励を。 こういう報道が支持されているとモチベーションに繋がる。 


 地元長崎のマスコミへ言論統制は直接、政府や自民党からはない。 というのは長崎のメインは県内、
 全国への放送などはそんなに頻繁にはない。 全国紙やキー局から見ると、そこまでの介入はしない。
 在職していた時からおかしくなっていると思い、現職だと難しいので退職してやろうと志を同じくするOB
 や現役らと言論の自由の会をつくり、5月に記者会見して自民党へ抗議文を送りました。 このまま憲法
 改正へ突き進むと、アジアで戦禍を交える事もありえる。 東京の主なマスコミをはじめ、言論統制に負
 けずにがんばってほしい。 会員20名で発足し、東京のキャスターや各県からも入り、今や100人。 
 関心があれば会に入って頂き、少しでもマトモな方向にもっていけるよう一緒に広げてがんばりたい。 
 労働運動以外にも、反戦・反核・平和運動を続けて長崎地区労は70年。 今こそ底力に期待したい。」
  
貸し会議室
財団法人の事業
2016文化講演会


日 時 2016年12月2日(金)18:00〜19:30
場 所 長崎地区労会館・2F大会議室  



主 催 一般財団法人長崎地区労働福祉会館