石木川の清流とホタルを守る市民の会 事務局長 テーマ『強制収用を考える』
「川棚町石木ダム建設予定地の強制収用が昨日、行政代執行が可能になりました。 ダム問題は自
然破壊だけでなく、人権問題でもある。 通常ダムは山奥の上流にできるイメージが、石木では一
番下流の平坦地に近い所にできるので行って見ると驚く。 55mと相当高くなる。 538億円かか
るがダム建設は計画通りになった事はなく、2倍〜5倍くらいになってくる。 1962年に現地調査
が始まり、その頃はかなりの集落があり地元住民の抗議。 50年以上たってもダムはできてない。
水が足りないという論理に、人口も減っており専門家は1994年の渇水がきても充分にあると言う。
利水についても、データを見れば一目瞭然、理屈にならない理屈をつけてきている。 治水対策も、
河川改修をやらずにダムありき。 地元と同意しないと建設できないとなっている覚書は、法的効力
を持っている。 代執行は現在の憲法において事例はないと、国土交通省も認めている。 暮らして
いる人の人権を考えるとやってはいけない。 公共工事の見直し、ダム行政の意識をかえないと。
ダムは造っても、その後の維持が大変。 ダムの底に上流からの土砂がたまり埋まってしまう堆砂
の問題がある。 取り除くメンテナンスに行政が金をかけないやり方も問題。 かえって洪水の危険
をまねく。 最近の大豪雨にダムは対応できない。 むしろダムが危険な存在となった地域もある。
コンクリートには耐用年数もあり、海にも影響し生態系が変わる。 ヨーロッパやアメリカではダム不
要論が主流になり、ダム撤去が進んでいる。 日本は時代遅れのダム行政。
ダム建設ありきで県も国の下請け機関としてやらせられている。 まだ、付け替え道路の一部しか
完成していない、本体工事はもっと後になる。 とても2025年に完成はしない。 前滋賀県の嘉田
知事は、知事が決断すればダムは止まると言う。 ダムを見直す知事を誕生させる事も大事です。
無駄な税金が使われる石木ダム建設を中止に追い込むよう、がんばっていきたい。」
石木川の清流とホタルを守る市民の会 世話人
「高校の教員をしていました。 久保知事の時代、針尾団地に企業誘致で水が必要だと言っていた。
ストッキング製造のアツギナイロンが来て、4年勤めたら高校卒の証書を出すと、離島から生徒を
集めて働かせた。 一企業の為に県立高校をつくるのは何事だとやり合いました。 夜と朝の変則
的な勤務に合わせ授業も押し付けられた。 今は結果的には企業は撤退した。 針尾にはハウス
テンボスが出来たが、自分で水を作っており、佐世保市からは買わない。 企業誘致でダムが必
要と言いながら知事も5代変わり、57年間ダムは造られていない。 行政代執行で法的には国の
物になり、13世帯は不法占拠となり、いつでも立ち退きとなる。 明治時代に足尾銅山の毒が入っ
た水を貯めようと、谷中村に16世帯約110人住んでいた人たちを強制収用し、家屋も壊した歴史
がある。 明治憲法・大日本帝国憲法の天皇中心とした時代。 しかし今、戦後の主権在民の時代
にできるのか。 戦後一度もダムの為にされていないが、県民は意識を持って抗議しないと安倍内
閣はやりそうだ。 自民党の憲法草案は、公共のためと国民の権利を制限する。 国のために必要
だから出て行ってくれと許したら、これから大変な世の中になる。 財産権に生活権、人権に国民
の生きる権利が無視されるようになっていくと感じている。 佐世保の水は10%近く漏れて漏水し
ている。 戦後の土管も古くなり換えないといけないが、そういうお金は出さずに大型事業に税金
を使う。 大手土建業者の権益だけを追求している政治が今も残っている。 私たちの税金を無駄
使いしない為にも、変えていかないと日本がダメになる気がします。」
2019文化講演会
日 時 2019年11月20日(水)18:00〜19:30
場 所 長崎地区労会館・2F大会議室
テーマ 強制収用を考える
主 催 一般財団法人長崎地区労働福祉会館