長崎県労連 議長
「みなさんご存知のとおり、急を要する労働法制改悪に対して、私たちは何をしなければならないか。
労働組合の組織的な枠を超えて反対の決起集会になるよう、なんとしても阻止する運動をしていきたい。」
中川弁護士 (日本労働弁護団/諫早総合法律事務所)
「明日27日には労働政策審議会で今後の労働時間のありかたについての要綱に基づいて、高度プロフェッ
ショナル制度が国会に出され成立するだろうと言われています。 長時間労働の抑制となっていますが、
中身がそうなっていないのが問題です。 アメリカは1日8時間超えると割増賃金が50%で残業させるな
ら新しく人を雇わないといけないようになっています。 日本は25%で割増が低く36協定を結べば1日何
時間働かせてもいい。 今回の高度プロフェッショナル制度とは、アメリカのホワイトカラーエグゼンプション。
日本弁護士連合会が、アメリカに調査に行った結果報告では制度導入後に、かなり広範囲の人が適用範
囲になってしまっている。 ファーストフードの店長からレジ打ちの人も対象であり、残業代ゼロの労働者が
拡大しています。 今回の労働法改正の目的は、経営側は残業代について考えなくていい完全な成果型に
しようと考えている。 成果を上げる為にものスゴイ長時間になり、結局は成果がでないとアメリカではなっ
ていて、成果を追い求め長く働く懸念があります。 健康確保の措置をしますとあるが、 配慮でだまそうと
している。 違反しても罰則はないので不十分。 アメリカでも長い間に改正されて、収入が多くないほとん
どの労働者が入っている。 これから日本でも、対象となる年収水準がいずれ400万円近くまでいくだろう。
日本は週40時間超えても残業代を払えばいいが、ヨーロッパでは週48時間超えられない。 スウェーデン
やフィンランドは週40時間労働なので、過労死はおきない。 アメリカ型ではなく、日本も目指すべき。
導入されたら手の施しようがないと、弁護団は考えています。 この法律の対象者は長時間労働で過労死
しても、何も言えなくなります。 対抗策を打ち出せなくなる。 過労死防止法は全会一致で国会を通ってい
るので矛盾していて、オカシイと思っている国会議員も多い。 日本って実際に被害が出るまでは動かない
ところがあるので、深刻さがわかってから改善に向かう。 今回の制度は、残業代を払わなくていいように、
労基法第4条の大事な制度をとっぱらおうとしている。 法律の土俵自体が崩壊しようとしていて、法律が
ある前提をどう守らせるか。 一番メインの制度が労基法を無意味化するので、やすやすと許すのはありえ
ない。 運動の力でなんとかしないといけない。 残業代ゼロ法案、過労死法案には労働組合が組織的に
批判する運動ができればいいんですが、明日閣議決定ですから、いよいよ自分の家が燃えますよ状態。
実際に火が着いていて学習会をしている時期ではない。 全国の弁護士会が反対の声を上げて、集会を
開きアメリカの状況報告をしている。 長崎でも反対の声をあげて一般の人に知ってもらわないといけない。」