西脇病院 理事長・院長
「ストレスによる精神疾患。 気力障害・うつ病・アルコール依存や薬物依存に、パチンコなどギャンブル依存の
人たちが増えている。 ストレスがかかるのはどうしてか。 産業革命・市民革命・近代医学が同時期に起きて、
豊かで快適で安全な生活ができるようになった。 しかし、明日の事はわからない不確実性に満ち溢れている。
我々はいろんな制度・情報を駆使する。 その仕組みを作っているのは人間の脳。 大脳の新皮質がフル回転
して疲れやすい。 疲れをとるのに、いい方法は睡眠を十分にとる事。 ストレスを抱え込みやすい人は執着性
気質で気配り・几帳面・控え目。 こだわりを持つ人、仕事ができる人は精神疾患になりやすい。
一生懸命やる人や、執着する人は強迫性ストレスになる。 考えすぎると人は消耗する。 社会的ストレスとは
対人関係や、責任・容姿など細々したストレスが我々の生活の中にある。 職場で異動があり、別の所に行くと
ストレス。 今がその時期で、生活環境が変わると5月病とはその名のとおり。
みんなで右肩あがりの時は、うつ病はがんばれるが、成果主義で、いろんな価値観になるとダメになる。
ストレスを抱え込んだ結果、胃潰瘍になる。 心が悲鳴をあげる、うつ病。 無意識の内に酒やギャンブル、
買い物依存症やネット依存症になる。 根っこは一緒で、こういう疾患がでてくる。
麻薬とは覚醒系と抑制系があり、抑制系はアルコール。 合法と非合法があり、ハードドラッグはタバコで
ソフトドラッグは酒なんですよ。 健康的被害は酒の方が大きい。 かつて禁酒法の時代もあったが、アル
コールを合法化すれば、タバコ産業より雇用がたくさん生まれる。 アルコールの規制を徹底すると大変。
ストレス解消には政治的な操作がされ、その時代の思惑が隠されている。 合法的な範囲の中で、うまく
ストレス解消を工夫していく事。 人生にはいい時期があるけれど、常にいい時ではない。 悪い時もあるので
人生を生き抜いていかないといけない。 患者さんの人生を、どう見守るかのスタンスでやっていこうとなる。
さて、コンプライアンスチェックシートは非違行為防止に有効か。 チェックシートは作ったがコンプライアンスが
なにかわかっていない。 有効かどうか前の段階。 コンプライアンスを徹底的にしとかないと、なあなあになる。
コンプライアンス・コンプライアンスと言いながら日本は、なあなあなところがある。」
西脇病院 診療支援部医療福祉相談課 主任 (精神保健福祉士)
「依存症も含めて、うつ病の方々が外来治療や入院治療だけでは休職の復帰は十分でない。 うつ病回復のプロセス
薬の治療とゆっくり休む休養。 回復期を経て仕事に戻っていく。 復帰した後も、いろんなストレスにさらされる。
当院のプログラムは、仕事と生活のバランスを取り戻すRBP(復職支援プログラム)で外来と入院の方を行います。
うつ病のリハビリはドクターが講義形式で行い、週一回運動を取り入れます。 体力や筋力が落ちて職場に戻ると
持続力や集中力が落ちて、前より仕事ができなくて悪循環に陥ります。
リハビリは集団で行い、アルコールや薬物・ギャンブル依存症を含めてミーティングを開始しています。 いろんな立場の
方を一同に会してするのが治療に有効。 休職中の方だけでなく復帰した方にも有効に作用しています。
上司との話など気を揉まれる方も多いので、役を決めて
ロールプレイングをやります。 職場での孤立、対人関係上の
境界など、復帰している人とも話をするので仕事に戻れる現実感など、みんなと話して患者さんの力を引き出す事が大事
です。 プログラムを利用し3ヶ月〜4ヶ月で復帰の方が多いので、このプログラムは有効。 リハビリはトレーニング。
病状の安定・健康管理・日常管理・基本的生活リズム・社会生活・対人関係・就労とステップが必要。 バラバラ
だと、再発のリスクが高くなる。 本人がうまく説明できない事も多く、会社や職場に訪問します。 事業所でも
プログラムを取り入れ、リハビリ出勤など共同した連続性が大事。 社会生活をどう取り戻すかが復職。」