佐世保地方自治研究所 所長 (元佐世保市議会議員)『
佐世保での原子力艦船の事故にどう対応するのか』
「原子力艦艇の原子炉と、原子力発電所はどうなのか。 原発は2種類あり、福島が沸騰水型で玄海は加圧水型。
原子力艦は玄海と同じ。 原発は発電の為だけだが、原子力船は多様に利用されている。
なぜ加圧水型なのか。 艦艇はいつも動き揺れていて、戦争で使うので衝撃もありえる。 その際、強い原子炉が
加圧水型。 沸騰水型だと壊れやすいので、放射能漏れがしょっちゅう起こる事が想定される。 燃料は商業用は
ウラン濃度2〜5%で、原子力艦船は20〜50%のウランを使用している。 原爆は90%と濃度がぜんぜん違う。
原子力船は、ひんぱんに燃料棒を交換しないで済むように、高めの濃度を使用している。
原発は運転を始めたら、年間同じスピードで運転するが、艦はひんぱんにスピードを変えるので、核分裂を抑える為に
濃度の高いホウ酸を使用する。 原子力潜水艦は原子炉1基、ニミッツ級の空母は原子炉2基を搭載している。
空母エンタープライズは、原潜の原子炉を6基つけただけのモノで、昨年12月に退役した。
長崎県のモニタリング情報は、
環境保健研究センターのホームページで公開されている。
佐世保市では7か所のモニタリングポストで、空間と海中の測定結果が公表され、文部科学省の委託先のHPから
リアルタイムで見ることができます。〔
(財)日本分析センター〕
私が議員の時、もっと近くで観測をしないとオカシイと言って、国が作ったシロモノです。 どのポイントでもセシウムが
佐世保は出る。 原子炉から直接漏れた証のコバルト60の証拠が今も残っている。 国が動かないから県も動かない。
政府の答弁は説明がない、国は外国の原子力艦には対策がないと言っている事を知って頂きたい。
EPZ(原子力防災対策地域)も原発からすると話にならない。 潜水艦は500m、空母で1kmしかない。
空母だと美浜原発と同じくらいの規模の原子炉を積んでいる艦船。 30kmは指定しないといけないのに問題。
佐世保市はアメリカの原子力船事故は起こらないと、今だに言いながら避難区域を10km圏内まで広げている。
佐世保での原子力艦船の事故が起きた場合のシュミレーションがない。 モニタリングがある赤崎の風向きの
データは非公開で明らかにしていない。住民はどっちに逃げたらいいのか。 吉井・江迎の風力発電所のデータ
では常時、北東の風。 艦船事故が起きれば夏場は佐世保市が全部汚染され、冬場だと西海市に吹いてくる。
対岸にある西海市横瀬にはモニタリングはない。 防災を考えるなら自分のところにも設置するよう言うべき。
事故が起きたら、冷却もできるので艦を沖に持っていって沈めるしかないが、事実上できない。 国を信頼しようと
してもウヤムヤな答弁の政府。どこでどう信用するか。 だから結論は艦船は入ってこない方がいい。」