2016 教 育 を 語 る 会
日 時 2016年11月12日(土)13:30〜15:50
場 所 長崎県教育文化会館2F・大会議室
主 催 長崎県教育を語る会実行委員会
長崎県教職員組合 副執行委員長
「中学校で先生をしています、講演の最後に質疑や議論をみなさんとしていきたい。 開催します。」
長崎県教職員組合 執行委員長 (実行委員長)
「子どもの貧困が日本で拡大しています。 非正規雇用や賃金の低いことが原因です。 所得の再
分配や労働者の保護を図っていくべき。 病院に行けない子ども、進学をあきらめ就職に影響し貧
困の連鎖に繋がっています。 生まれで左右されないように、成長できる社会を作っていかないと
いけません。 今、置かれている子どもたちの状況、私たちに何ができるのか考えていきたい。」
長崎県教職員組合 書記長
「講師の紹介です、日教組のシンクタンク、教育総研や執筆などでも活動されています。 いろんな
物事を考える時に、議論にならない事もあるマジックワード。 貧困の問題とはなんなのか、わか
っていないのにわかった気になる、現在のマジックワードとはなにか。 深めてもらいたい。」
笹倉さん (就実短期大学 教授) 『子どもの貧困を問い直す』
「兵庫県の公立高校で教員をしていました。 子どもの貧困についてもう一度考え、何を指している
のか確認して、私たちに何ができるのか考えたい。 ものごとを考える時、私たちは多数派の考え
になりやすい。 世の中には少数派の考えがあるということが大事です。
不登校には世間のイメージと誤解があり、30日以上欠席した者が不登校の定義だが、3種類にわ
けてみたい。 ひとつは神経病型不登校で、対人関係など心理的要因で頭や腹痛で行く気はある
が体が言う事を聞かない。 次に脱落型不登校で経済的要因で学校に行く環境が整っていない。
最後の意図的学校拒否型は、心配しなくていい。 我が道を行くタイプで自分なりのやり方で社会
に出る。 不登校のイメージはひとつめのイメージが強いが、不登校は社会階層的に別れている。
不登校の数値は学校に席がある子どもの話で、学校に行っていない子どもはもっと増える。
住民票に記載がない子ども、不法滞在で子どもができ出生届けがない国籍もない子どもがいる。
闇金に追われたり、DVで逃げて居所がわからない、いつのまにか子どもが消えている事を知って
ほしい。 子どもの貧困という言葉は、2008年頃からいろんな出版社からでたが、そもそも貧困
でない子どもは存在しない、収入もなく働いていないので子どもは元々貧困なんですよ。
子どもの貧困とは、貧困家庭に育つ子どもで、解決には大人の貧困をなんとかするしかない。
大人の仕事保障、安定的な仕事を保障しろというのが唯一。 奨学金は利子つけて返せとなる。
奨学金取れと学生に言えない、借金背負う事になる。 子ども食堂や無料学習支援はおおいにや
るべきだが、子どもの貧困は解決しません。 学力向上したらいいと言うが、いい大学に入って安
定的な仕事につく貧困から脱出の考え、子どもの貧困は勉強を頑張ったら脱出できるのか疑問。
高学歴でないと言われるとムッとする。 高学歴でなくても、まっとうにちゃんと生きてる人はいる。
椅子取りゲームの学力向上では定数があり、勉強をがんばって希望に入れた勝者があり敗者を生
み出す。 全ての子どもがハッピーに安定就労につながる学校に入るのは無理。
落ちた子どもはどうなる、全ての就職先が良いならいいが、非正規が増えて酷使される。 全体的
な視点がないと、イス取りゲームはいかがなものかというのが私の考えです。 社会構造の問題。
個人の努力や心がけでどうにかなる問題ではなく、貧困家庭の一部が学力向上で脱出できるが全
体はそうならない。 個人や家庭の問題でなく社会の問題だ。 誰もが生まれて良かったという社
会の実現、これを目指したい。 子どもは親を選べない、生まれた環境がどうであっても胸を張って
生きていける社会であってほしい。 今、戦前の教育世界と近く悪くなりつつある。
子どもには仲間作りと居場所作りが大事。 学校は意味があるが貧困対策の主軸にはなれない。
一時避難できる24時間対応の包括的地域子どもセンターがあるといい。 大阪に『子どもの里』が
あり既に実践している。 映画で『さとにきたらええやん』もあります。 日本には595ヵ所の児童
養護施設があり、約2万8千人の社会的擁護で育つ子どもがいる。 社会的擁護の研究もしてい
ますが、教育は社会と切り離せない。 社会的擁護の仕組みにも関心を持ってもらいたい。」