長崎地区労 議長 (全国被爆二世団体連絡協議会 副会長)
「受付ではコロナ対策で、住所氏名など記録への、ご協力ありがとうございます。 感染リスクを抑え
 て最小で開催していきたい。 被爆者の高齢化で継承の問題に、被爆二世の救済援護の問題を、
 パネリストから順に話をしてもらい、話しあいたい。 被爆二世運動に関心を持ってもらいたい。」


長崎県被爆二世の会 会長 (NTT労働組合退職者の会 長崎地区連絡協議会)
「私の母は爆心地から4.5km川上町で被爆しました。 安否確認に行くにも、宝町から先は瓦礫の
 山で行けなかった。 私は山里小学校に入学し、運動場の周りの防空壕で遊んだ記憶がある。
 職場で組合の役員になり、運動に参加して初めて被爆問題を考える事になりました。 被爆者か
 ら、『自分らの体験は2世にはわからん』と、言われた言葉。 運動として被爆の継承は必要。   
 被爆二世が白血病で亡くなったと新聞にも出た。 親は子どもの病気は自分のせいだ、子は親が
 被爆したからだという葛藤があった。 同僚が体調不良で親の被爆体験を聞くべきだったと言った。
 

 イトコは54歳で亡くなり、身近な同僚は51歳で亡くなった、親が亡くなった時よりショックだった。
 母やイトコや同僚も、すい臓がんでした。 私は2016年から体重が減り、半年で5回検査を受け、
 早期に発見され、手術も成功し抗がん剤の影響もなく、今こうやって話ができている。 あの時、
 検査を受けなかったら手遅れだったと思う。 私が運動を続けてきた中で、被爆二世はやっぱり
 影響がある。 今だに亡くなっている。 核兵器廃絶と、核廃絶は、労働組合の中でも核廃絶と
 言えない組合がある。 放射能の影響は、原発問題を含めて国民全体の問題として広げたい。」

全国被爆二世団体連絡協議会 会長 (長崎県職員連合労働組合 元執行委員長)
「被爆者援護法は4つに分かれている。 1号被爆は直接被爆者、2号被爆は2週間以内に入った
 入市被爆。 3号被爆は放射能の影響を受けた者、救護や死体処理。 2世もここに当たると考え
 ています。 4号被爆は体内被爆者。 私の父は爆心地から4kmで被爆し、母は時津町で被爆し
 ましたが3号被爆者で、すい臓がんで亡くなりました。 原爆の遺伝的影響は否定できない。
 37万筆を超える署名を政府に提出し、厚労省との交渉や国会への働きかけをしてきました。
 被爆二世には1979年から健康不安解消の為に無料の健康診断だけで、健康に苦しむ二世も


 います。 二世は原水禁運動で、原発を含む核廃絶を目指す取り組みをしています。 全ての
 核被害者の人権確立に繋がる。 被爆者援護法を改定して、二世への適用を訴えたい。
 国連人権理事会で、二世問題が議論され、コスタリカとメキシコが日本政府へ勧告を行いました。
 国連で二世として発言できるよう計画していましたが、NPT再検討会議が延期になりました。
 世界には多くの被爆者が存在し、次の世代へ繋がると確信しています。 核と人類は共存できな
 い。 次の世代へ運動の継承を、各国と連帯して核被害者を出さない取り組みに繋がっていく。
 核の次世代への影響は人権侵害であり、被爆二世運動をこれからも展開したい。」
 

全国被爆二世団体連絡協議会 特別顧問 (高校生1万人署名実行委員会)
 
「現在101歳になる私の母は爆心地から3.5kmで原爆を受けた。 切っても切っても変形した足
 の爪と、皮膚の炎症は今も治らない。 被爆二世運動は、やがて絶える被爆者の運動を引き継が
 なければいけないと、1985年から被爆二世教職員の会で始めた。 被爆体験だけでなく思想も
 継承していかないといけない。 反戦、戦争をなくす。 反核、核をなくす両立。 二世のスローガ
 ンは、差別なき援護を求める。 年1300億円の被爆者への予算。 被爆者は医療費が無料、い
 ろんな手当もあるが、被爆二世は無料の健康診断が年1回だけで、なんの援護もない現実。


 全国で二世は30万〜50万人と言われていますが、厚労省は調査していない。 調査したら、何か
 しないといけなくなる、と言う珍妙な回答。 調査しないで実態も不明と言う、永遠の論争。
 被爆3世、4世と引き継いでいかないと始めた、高校生1万人署名と高校生平和大使の活動であ
 ります。 最初は核兵器廃絶じたいが政治的運動なので、鉄橋でマイクを使わず始め、20年が
 経った。  9の日座り込みに高校生が参加するのは政治的運動でないかと批判されるが、こう
 いう運動に参加してこそ意識が芽生える。 土日の時に参加となりますが、9の日への参加は力
 になる。 私たちの運動は反戦反核運動、戦争を無くす前提がないと意味がない運動。」

 
被爆75周年被爆二世シンポジウム
被爆二世運動の使命と展望


日 時 2020年7月18日(土)14:00〜15:35
場 所 原爆資料館ホール    


主 催 全国被爆二世団体連絡協議会/長崎県被爆二世の会