木村草太さん (首都大学東京・大学院教授) 『安保法制と憲法のこれから』
「国会で憲法審査会の参考人として呼ばれ話をしましたが、森友学園の籠池さんの証人喚問があり
騒然としていたので、閑散とした中で話をしてきました。 首相が解散すると言えばできるのは、い
かがなものか、内閣が好きなタイミングだと党利党略になると50年前にも言われ、人は成長しない。
訳のわからない解散はこれまでも相次ぎ、恣意的な解散もあった。 これまでも解散権の議論につ
いて言っても、何言ってんだという。 憲法とは張り紙のようなモノ。 張り紙の論理。
国家権力に向けられた張り紙。 張り紙に書いてあるということは過去にヤッタ奴がいるという事。
会社の利益の為だけに働くと辛くなってくる。 社会全体に貢献しているとなると、労働もやってて楽
しく、働こうという気になる。 9条護憲運動でも、まずは私たちの生活で考える事が多い。 日本全
体や国際社会の為にもだと充実したモノとなる。 改憲運動でも日本に良くても国際的にはとなると、
聞いててイヤらしいモノになる。 北朝鮮の脅威で9条改正となると、日本の話だけで閉じてしまう。
先制攻撃の為と言うが国際法違反。 自分たちの為だけになる。 自分さえ良ければいいと言う、自
分にとってどちらが得かというバーゲンセールではなく、国際的な利益になるかという議論が必要。
国際法では武力行使は違法です。 19世紀の国際法では戦争をやりたい放題でした。 当時は戦
争を防ぐ事ができなかったので、20世紀は戦争そのものが良くないとルールを守ろうという考え方。
憲法9条はグローバルスタンダードとも言える。 侵略が行われた場合は国際社会全体で対応する。
安全保障理事会で決議がでると武力行使は認められる。 安保理が判断する間は、被害を受けた
国は個別的自衛権で、支援を求められた国は集団的自衛権を行使できる。 個別と集団は発動条件
が違う。 区別しないといけないと、国際司法裁判所でも言われている。
北朝鮮はやっちゃイケナイ事をしているが、どこかの国を武力攻撃している訳ではない。 飛ばして
いるのは高さ500〜700kmで地上から400kmは宇宙ステーションの軌道なので、宇宙が侵害さ
れたとは言えない。 日本上空でなく宇宙空間と言わないと、月や火星が日本上空を通ったとなる。
アメリカの先制攻撃の議論。 アメリカからの武力攻撃は国際法違反になる。 あやしい武力攻撃を
した事もあるので可能性もあるが、次はミサイル攻撃だと言うのは、こちらの正当性を掘り崩すモノ。
北朝鮮は国際法違反だから批判できるが、こちらが国際法違反をしてはいけない。
9条の問題は9条の外の話。 誰の責任でやるか憲法上軍隊をコントロールできない。 自衛隊は
災害出動、治安出動、防衛出動の3つ。 戦艦が入ってきたら被害がなくても攻撃できるし、ミサイ
ル着弾しなくても反撃はできる。 国際法では被害が発生してからではない。 安保法制は意味が
解からないから憲法違反だ。 法律を作る時は、意味が解かるように作らないといけない。 政府
は日米同盟が揺らいでる時とか、訳がワカラナイ事を言って、明確な解釈がなく狭く読めたり、広く
読めたりする。 無人島占拠では日本の存立危機や国民の生命がとは言えない。 安倍首相が言
っているように自衛隊を憲法に、任務を書かずに自衛隊だけ書くと問題。 だからといって任務を書
くと今以上に違憲になってしまう。 どっちにしてもマズイ、与党としては大バクチ。
憲法9条改正は、自衛隊の明記にそれなりの支持もあるので、ごちゃまぜにして支持を取らせようと
している。 正面から憲法改正論をごまかしてやった方が有利となりかねない。 9条は単に日本が
丸腰でなく非武装の理想を込めたモノで、今後も維持する議論もできるでしょう。 緊迫する中で戦
争に巻き込まれず、自分だけ攻撃できるような、お得な憲法9条論議はやめていかないといけない。
北朝鮮との外交、6ヵ国協議への道筋が説明できないから、無理だと言われる。 主張する説得力が
弱いとマズイので、説得力を強くするようにがんばりましょう。」
ヤスクニ共闘 副議長
「国際社会の中で日本はどうあるべきか考えるべきである。 平和国家として戦争しない、9条を持って
いる事で果たすべき役割り。 現在の自衛隊の問題、9条論議になる。 最近の政治は品性を欠く。
利益の為だけに政治が使われている。 国会を覆す為に、集会や行動で考えていきたい。」