長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会 副議長
「1951年1月27日ネバダでの核実験が契機になって停止を求めての反核集会を例年しています。
 日程の都合でズレました。 世界中に被爆者はいる、グローバルな視点で見えてくるといい。」


原水爆禁止日本国民会議 議長 
「核兵器の危機は増している。 世界の終末時計は、かつて3分前が2分前になり今100秒と言われ、
 私たちが住む地球はあと100秒しかもたないのか。 3・1ビキニデーから、反核平和の運動が世界
 を巻き込み、これまで努力をしてきたハズです。 核兵器は減ってきているが、危機は迫っている。
 お話を聞きながら、私たちの運動を強めていかないとならない。」
竹峰さん (明星大学 人文学部人間社会学科 准教授)『長崎原爆投下と核の被害者を結んで』
「大学の教員です。 世界の核実験被害に目を向けてより深く掘り下げていきたい。 ノーモア長崎、
 長崎を繰り返すなとは、長崎は最後の被爆地なんですかね。 原爆投下後には次の実験場の選定
 の議論が始まっている。 1946年3月、核実験場建設に伴い、移住させられた住民たち。 マーシ
 ャル諸島は1914年〜1944年まで日本統括下にあった。 アジアだけでなく太平洋の島々を日本
 は植民地支配していた。 中国・朝鮮とあわせて侵略戦争の歴史。


 マーシャル諸島には日本古来の言葉が今もある。 アメリカはマーシャル諸島やビキニは、太平洋
 戦争をへて占領して核実験をした。 歴史的に繋がっていて、決して切る事はできない。 
 グアムとハワイの間くらいにある太平洋中西部の小さな島々。 サンゴ礁が隆起してできた島で、実
 はひとつの島でなくビキニ環礁は小さな島が円を描くように繋がっている環礁。 中央はおだやかな
 湖で高い山はない。 2千年にわたり人が住み続けてきた海洋民族。 陸地は長崎市の半分くらい。


 排他的経済水域は中国より広い海洋大国。 日本は1945年8月15日以降は平和な時代だが、朝
 鮮半島もアメリカにとっても戦後はナイ。 極めて日本的な考え方の戦後。 冷戦はマーシャル諸島
 にとって戦争だったという。 アメリカの核実験場となった。 ビキニ環礁で行なわれたブラボー実験
 での水爆は、1発で長崎型原爆の750発分の威力。 千隻の船の被爆に、住民は被爆し、3日間
 放置され、米軍基地に送られた後も米軍の追跡調査の対象で遺伝調査をやっている。 


 1950年代原子力エネルギーが導入され、日本も飲み込まれた原子力の平和利用キャンペーン。
 今後被曝者は増すので、アメリカの公文書の中で、マーシャルの被爆者は意図的にモルモットにさ
 れたとなっている。 今、マーシャルに行っても核の被害はワカラナイ。 ビキニ環礁の海は見た目
 は綺麗ですが、人の暮らしは戻っていない。 土地から切り離された核の難民。 核実験で移住し、
 海洋民族の文化そのものが失われた。 米国内に2万人ほどが移住している。 汚染された島。 


 被爆者の子や孫たちはビキニで住んだ経験がなく、アイデンティティを保つ事が難しくなっている。
 核が持つ非人道性は、目に見えにくいモノに核は忍びより、悲しみは心の中にある。 マーシャル
 にも核実験の被害者と認められない人がいると私は見ている。 島全体が溶けたり、大きなクレー
 ターの穴になっている。 ルニットドームに核廃棄物をぶち込んで、コンクリートでフタをする。 
 この中にネバダの核廃棄物も一部あったと去年の秋にわかっている。 核開発の後に行き場のな


 い廃棄物。 ドームは30年以上経ち老朽化し、地球温暖化で海面上昇でスレスレ。 放射性物質
 が太平洋に漏れ出す危険性がある。 核問題と地球環境問題は別の意識があるが、マーシャルで
 は地続きの問題。 2020年2月5日、ICBMをカリフォルニア州ヴァンデンバーグ基地から発射し、
 マーシャル諸島に落下、アメリカは今もなお、ミサイル実験場として使う。 ICBN大陸間弾道の実
 験は1回で268億円使う。 これまでマーシャル諸島に支払ったのは165億円で決着とされている。


 マーシャルだけでなく、カザフスタンや、ニューメキシコのアラモゴードにもトリニティという核実験場。
 核実験場は世界に広がっている。 戦争で使われていないと、分けられる問題なのか。
 ハンフォードはプルトニウムを世界で初めて生産した都市。 長崎の原爆の生みの親。 この施設
 の周りでも被曝した住民がいる。 ’80年代に閉鎖され除去作業が終わる事なく続いている。
 ロスアラモスは、今もなおプルトニウムの組み立て施設。 ウラン鉱山も被曝の恐れがある。


 世界の国境を越えた視点で見ると、核の様々な被害の土地はイッパイある。 長崎を最後の被爆地
 と語る、この日本人の思考は他者の接近を許さない独占。 唯一とか最後とか自分たちの問題だけ。
 それだけでいいのか。 学び続ける事は重要で、他の核被害を見えにくくしていないか。 核開発の
 国は時には連携している。 核被害の側も、もっとゆるやかに横に繋がりながら、広げるのが重要。 
 地球規模での環境汚染としっかり汲み取り、核問題を考えていかないといけない。」


原水爆禁止長崎県民会議 副会長
「世界のウラン鉱山で働いている先住民や、原発被害者、原爆の被害者の声が核兵器禁止条約に
 活かされている。 今年11月トランプ大統領になり、安倍首相の4選で終末時計は90秒になる。
 核兵器禁止条約とNPT検討会議を成功させ、1千万人署名も成功させたい。 なぜ1.27ネバダ
 デーと3・1ビキニデーを取り組んでいるか理解できたと思います。」
 
核廃絶!1.27ネバダデー学習会
                       

日 時 2020年2月9日(日)14:00〜16:00
場 所 長崎地区労会館・2F大会議室


主 催 原水爆禁止長崎県民会議・長崎県平和運動センター
     長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会(被爆連)