長崎県平和運動センター青女協 常任幹事
「ただ今から、平和を考える集いを開催致します。 本日講演の山口さんは、長崎の証言の会で、被爆
証言紙の編集長でもあります。 主催者あいさつの後、『日本はどこへいくのか―核兵器禁止条約と
憲法改正問題を中心に』、で講演して頂きます。」
長崎県平和運動センター 事務局長
「1941年12月8日、日本が過ちを侵した日。 二度と繰り返してはならないと、毎年開催しております。
ずっとオンラインの会議でしたが昨日、平和フォーラムの会議に久しぶりに上京しました。 コロナ禍
で活動が停止している間に、全国でいろんな事が起きている。 運動を続けていかないといけない。
核兵器禁止条約を日本政府は、橋渡しという言葉で誤魔化している。 核の先制不使用に反対する
とはもってのほか。 憲法を変えようと、改憲派が勢いづいている。 運動を再構築していきたい。」
山口 響さん (長崎大学核兵器廃絶センター客員研究員/長崎大学 非常勤講師)
「日本国憲法ができた後から改正の動きはある。 2017年以降、安倍さんの右派的なグループを中
心に、2020年までに新しい憲法を施行するとあり、本丸は憲法9条。 自民党の中で憲法改正は、
安倍さんの意向を受け、憲法9条に自衛隊の根拠を書こうとし、改憲草案の狙いは、国防軍そのも
のを書き込もうというのが目的。 オリンピック前に憲法改正し、戦後史に残る偉業を任期中にやり
たかった。 敗戦から76年、9条の解釈を変えられてきた歴史、長い時間かけてココまでしかきて
いない。 みなさんの活動は阻止の意味があった。 敗戦から76年前は明治維新の時代になる。
国際的平和活動で、日本の軍隊が前線に行ってドンパチは安保法制だけではできない。 9条はダ
メだというのが安倍さんたちの考え。 手続き問題の処理、改憲手続きは国会で両議院の3分の2
以上で通り、その後に国民投票法にかけて半分賛成で通るが、今まで1度もやった事はなく、国民
投票制度には穴がある。 投票した人の半分でなら、有権者が10%しか投票に行かなくてもOK
となる。 憲法を変えるのは国政の一大事、最低投票率50%とか不成立にしないと。 手続き問題
は中身と切り離す事はできない。 2019年春に令和に改元し、天皇が新しく変わる時に大きな政
治問題にできなかった。 数の力でいつでも通せたが、国会前をデモでワーワー言わせずに、落ち
着いた年にしたかった。 2020年以降はコロナ禍で審議が停滞したというのは、改憲派の話。
自民党からも改憲4項目は瑕疵があると、党内で争いになると静かにしていた。 菅政権後、岸田
政権になり、安倍さんは復活してきて推進の最高顧問になり、憲法改正実現本部に名前を変えて
きた。 維新と自民党は近かった、それに国民民主党が加わり、立憲民主党は離合集散しながらも、
憲法改正にはのれないはずだが、安倍さんはいろんな政党を天秤にかけ、ウマイ事動かそうとして
いる。 公明党は安保法制も反対だったが、最後にはのってきた。 新しい憲法改正に向けた議員
連盟。 野党との協調路線に入ってくる危険な局面。 安倍さんは2017年から憲法改正をしようと
する、アベノカイケンは今の方が危ない気がします。 総理ではないから、裏に回った時の方が怖い。
彼はバカではないですよ、ちゃんと考えている。 2020年までの改憲は頓挫したが、アメリカからの
要求もあるし、まだ終わってはいない。 保守派を中心に強行的にしようとしていたが、改憲手続法
も成立し、立憲までのってきた。 安倍政権の元では憲法改正を認めないと言うのが、立憲に多かっ
たが、安倍さんは今いない、岸田政権は改憲を進めてくる。 社民党、共産党、れいわは理念的にし
っかりしているが、立憲はあやふや。 党内にいろんな人がいて元々、民主党が多い。 護憲などは
古いイメージと、誤った考えをもっている人が立憲にいる。 共産党と組むという言い方もオカシイ。
ハッキリした理念がないから、グラグラ・オタオタになる。 自民党と公明党は何十年と組んでいるが、
憲法はぜんぜん違うじゃないか。 共産党と組んで文句言うな、共産主義を認める訳ではナイ、組ん
で何が悪いかと言えないのも悪い。 改憲批判を安倍批判にしてきたやり方では今後対抗できない。
現行憲法・法律でコロナ対策はできるが、憲法改正しないとマトモにできないという人たちがいる。
最近会議はオンラインが多いが、国会は本人がそこに行かないといけない。 政府はコロナ禍に
乗じて、国会をすっとばして権限を持ちたい。 アメリカの押し付け憲法論。 実現したのは日本の
努力。 押し付けられ何が悪いんですかと。 日米安全保障条約も押し付けられたのに、保守派は
何も言わない。 片方が良くて片方がダメならご都合主義。 日本はアメリカの核の傘の元にいる。
核兵器使用を奨励しているので、核兵器禁止条約には加入できません。 核の傘を出る事になる。
条約ができても意味ない否定論。 これはその通りですが、だから何だと。 核を使う事が難しい雰
囲気にすることが元々の目的。 ダバコは今、日本では禁止されていない。 昔は職場でも吸えた
が、だんだん時代が変わると、外の喫煙所になり施設からも出され、コンビニの外の灰皿も無くな
った。 家ではベランダで吸ってた蛍族も全滅か。 禁止されていないがこうなる、同じことです。
核兵器廃絶と言いながら、政府は本当に無くしたいとやっているか。 世界の核は減っているが、
ゼロに向かう動きはない。 不必要な部分を削っているだけ。 1つの野球チームに、300人もい
らないというのと同じ。 核の傘で、核廃絶の努力を信じる事はできない。 核抑止論が現実的で、
交わらいと言うなら、そもそも核禁条約を否定したりする必要はない。 意味がないと、わざわざ言
うコメントは、気になってしょうがないから。 世界で増えていったら、核兵器中心とした政策を維持
するのが難しくなる。 影響力を否定して強がっているが、心配でしょうがない。 否定論を言えば
言うほど、力を持っている証拠。 世界は核を持つ国、持たない国、日本政府はどっちの立場かと
目に見えるようになった。 日本政府は橋を渡すのではなく、引っ張っていかないといけない。」
自治労長崎県本部 青年部長 (長崎県平和運動センター青女協 事務局長)
「1941年12月8日、日本が真珠湾攻撃で太平洋戦争が始まった日。 今の政権も戦争できる国づ
くりを進めようとしている。 政党の資金力でCMの量によって国民投票の結果が変わるのは問題。
国民主権、基本的人権の尊重、平和主義と、日本国憲法を護っていく運動を取り組んでいきたい。
戦争がなくても平和ではなく、職場や家庭での平和とは何か、何ができるか考えていきたい。」
12・8不戦の日 平和を考えるつどい
日 時 2021年12月4日(土)14:00〜15:30
場 所 長崎原爆資料館ホール
主 催 長崎県平和運動センター/長崎県憲法を守る会/
平和を守る長崎女たちの会