軍隊を持たない国コスタリカに学ぶ


日 時 2019年6月11日(火)18:00〜20:30
場 所 長崎歴史文化博物館ホール
入場料 1000円(学生無料)


主 催 コスタリカに学ぶ講演会実行委員会
    (言論の自由と知る権利を守る長崎市民の会、
     高校生一万人署名実行委員会など)
ロベルト・サモラさん (コスタリカの弁護士)
「イラク戦争の時、コスタリカ大統領が賛成し支持を表明したことがありました。 私が22歳の時に
 憲法違反だと訴え、提訴状をつくりました。 国際法に違反して、平和の権利にも違反している。
 コスタリカには平和への権利があると言ってほしかったが、裁判所は言いませんでした。 部分的
 勝利に終わった。 平和はひとつの義務で、自分で宣言したら他の人の平和も認め、宣言するの
 がルールだと思う。 国際法は慣習が積み重なってできたモノなら、国内でも同じ事が言える。


 他のラテンアメリカの国々は、スペインから独立したら軍人を選んだが、コスタリカは違った。 
 1821年スペインから独立し、最初の元首は小学校の先生を選んだ。 1824年、最初の憲法で
 義務教育が定められた。 家族中心の農業で、富の分配が平等だった。 平等に分配されれば権
 力も平等に分配される。 権力が分配されれば、交渉や話し合いができる。 お金と権力が平等に
 分配された事が民主主義の土台となっています。


 軍隊は民主主義にとってよくないもので、小さい国の小さい軍隊はアメリカの影響を受けやすくなる。
 アメリカは気に入らないと介入して政府を倒す。 隣のニカラグアで共産主義が政権を取り、アメリカ
 は気に入らない訳です。 国境に米軍基地を造れと、コスタリカにものすごい圧力をかけてきた。 
 永世中立宣言で、コスタリカは国際的影響を受けない事になり、レーガン大統領が頼んできたが跳
 ね除けた。 国際政治の世界では本当に当たり前の、イイやり方だと思います。 


 2010年にニカラグアが水路を確保するために、コスタリカの無人の土地に侵入してきた。 解決には
 文明的な方法を取ろうとし、国際裁判所に訴えた。 2012年ニカラグアは主権を犯しているから違反
 だと、国境から去らざるをえなくなった。 一人の死者も出さず、済んだわけです。 奇跡ですね。
 2008年にコスタリカ大統領が核兵器を造る話がでた時にも、私は訴えました。 180年のコスタリ
 カの歴史を見たら、平和への権利を追及した平和国家としての歴史があり、裁判所も認めた。


 核兵器を造ったり、軍事目的の兵器は禁ずるという命令を出した。 これまでの国の歴史が教えてく
 れた。 いろんな慣習が法律を作り、歴史から生じた慣習。 歴史から裁判所はそのとおりだと認め
 た。 最初に大統領を訴えた時に、みんなバカじゃないかと思った。 大統領の決定を違うと言った
 人はいなかった。 その時やらなかったらどうなっていたか。 親も学校の先生でした、そして私は
 今、ここにいます。


 日本で憲法9条を改正しようとするのは、頭が狂っている、病なんじゃないか。 国民をあざむいてる。
 攻撃する軍隊は傭兵、自衛隊とは実際は軍隊でしかない。 集団的自衛権も大きなウソで、アメリカ
 に協力するだけの事。 どの国がアメリカを攻撃しているのか、マジメに考えたら世界で最強の軍隊
 を持つアメリカに何の支援が必要なのでしょうか。 安全保障とはまったく無知な人のパラノイアでし
 かない。 希望の最大の敵は恐れです。 本当の真実、戦争は兵器を造り、儲けにする事だけです。」
第22代 高校生平和大使 (高校生1万人署名活動実行委員会)
「若者の無関心、妹も興味ない。 私が、こういう場でしゃべって、韓国や中国訪問の話をしてたら
 彼女は平和実行委員になって、ちょっと変わった。 教科書に載ってない事実、日本で学べない
 歴史をたくさん学んできました。 制服ブランドで活動できる時間も短いんで、伝えていきたい。」
「平和大使は選考会があり、1万人署名は全国に活動が広がっています。 発表の機会もあります。
 若者が戦争や政治の話をするのは難しい。 軍隊を持たなくてもいいように変えていきたい。」


「私たちの活動を広め、被爆者の声を伝えたいとSNSで発信しています。 YouTube見てください。
 小さな力の積み重ねが世界に大きな影響を与えるように、希望を持って平和活動します。」
「無関心な人は核兵器が使われる可能性を知らない。 働きかけてきちんと想像させる事が大切。
 無関心は恥ずかしい。 知識を増やして、たくさんの人に発信できたらいいなと思いました。」


「韓国派遣でハプチョンの原爆資料館や、日帝強制動員歴史館を訪問し、署名活動も行いました。
 活動の原点が原爆。 なんで落とされないといけなかったのか、学び直していきたい。」
「ノルウェー派遣は3名のメンバーで7ヵ所訪問し、ノーベル平和センターに原爆パネルを贈呈しました。
 若さの武器を使って、明るく平和を発信していけたらなと思います。」
「1回1回の署名を大切にしていきたい。 テーマソング『この声をこの心を』の歌詞は、普段の活動の
 様子です。 歌詞に注目して聞いてください。」


平和活動センター所長 (被爆二世教職員の会)
「高校生にロベルトさんの講演を聞いて、どう思ったか感想と、活動報告を話してもらいました。 
 ロベルトさんから高校生にアドバイスなどお願いします。」


ロベルト・サモラさん (コスタリカの弁護士)
「自分たちの力を過小評価しないで自分を信じて。 みなさんの制服メッセージは強いもので、みんな
 の励ましになる。 みなさんに私も励まされた。」