被爆体験者問題 学習会
日 時 2018年2月16日(金)18:00〜19:40
場 所 長崎県勤労福祉会館・4F第2・3中会議室
主 催 長崎県原水禁/長崎県平和運動センター被爆連
長崎県平和運動センター被爆連 副議長
「被爆体験者の問題は、まだよく知られていない。 今からでもキッチリ知って、支援できる体制ができ
るようにしたい。 問題提起・裁判報告・訴えのあと、質疑応答を行います。」
長崎県平和運動センター 議長
「大変なご苦労の中で最高裁まで闘い、残念な判決の結果。 第2陣は長崎地裁で10名が認められ
たが、他の人は退けられた。 この問題がまだ十分に伝わっていない。 日本では民と民の争いなら
ともかく、行政相手の裁判だと住民側を退ける判決が続いている。 国会も行政も司法もダメだが、
あきらめる事なく、今後も私たちも、ともに闘って支援していきたい。」
三宅さん 弁護士 (諫早総合法律事務所)
「原爆後のマンハッタン調査団で被爆体験者の居住地で線量も検出され、分析も出ているが、1陣の
人は無視され、2陣では認められた。 風は東に吹いていたが、旧長崎市だけが被爆者とされ、なぜ
南北かの説明はない。 旧長崎市だけが被爆者で、他の地域は被爆体験者とされた。 被爆者援護
法では 原爆による特殊な被害者を国が保障した。 5km以内にいなかった人でも急性症状があっ
たという矛盾がある。 私なりの見解はDNAを傷つけるのは何mSVからとは言えない。 線量で決
まらない。 原爆の被害は特殊被害であり、相続の対象になるとあり、亡くなっても裁判は続く。 数
少ない成果。 爆心地から12kmは被爆者だと、当たり前の主張が認めてもらえない。 最高裁の
理屈は5kmなので、時津や長与と同様の扱いをしてもいいんじゃないかという裁判を考えています。」
龍田さん 弁護士 (諫早総合法律事務所)
「一番腹が立つのは、被爆体験者の制度を作った時になぜ抗議しなかったんだ。 被爆地域拡大を
やめてくれとできたモノ。 厚生省が被爆体験者を作り、排除している。 国は被爆者手帳を出す所
で絞ろうという作戦。 裁判所内でもとんでもない判決を書く奴がでてきている。 5kmとはどこから
持ってきた。 被爆者の定義は定義規定に無ければ使えないが、平気で使う。 裁判官らは被爆者
援護法を読んでいないんじゃないのか。 日本の司法に政治はヒドイですね。
核分裂して放射線を浴びたのと、放射性物質を飲んだり、食べたりしたのと、どちらが影響が大きい
か。 裁判官はさっぱりワカラナイ、行政は無視している。 放射線は内部被爆で考えないとダメだ。
空中からの放射線を受けた市民は少ない。 放射線を浴びた塵を吸い込んだ方が圧倒的に多い。
内部被爆が無視されている。 内部被爆は生きている人間だから採れない事をいいことにしている。
体内で放射しているのが大きな問題。
被爆に至る影響、勉強して準備書面にするが、読んでいないんじゃないか。 日本語で書いてるつ
もりだが、読めても中身を頭に入れようとしない。 最高裁も目は通しても踏み込まないという姿勢
で、ひどい状態がありまして、自分で勉強すればわかるが、裁判官は読んでもわからなかった。
判決を見ればわかる。 囚人にプルトニウムを飲ませたり、アメリカは判っている。 医者のファー
レル声明で原爆症はすぐ亡くなり後遺症はないと言われ、秋月先生は原爆後の枕崎台風が死の灰
から被爆者を救った、急に死亡者数が減少したとあるが、秋月さんは見落とした事実がある。
放射線は半減期があり、プルトニウムは半減するのに2万4千年、たいした影響を与えていない。
他にも放射性物質はたくさんあり、半減期が3日とか5日とか短い物ほど影響が大きい。 判決は、
そこを見ていない。 1カ月住んでいれば大気中に拡散した物をたくさん吸うので十分体内に取り込
めるが、判決にはまったくでない。 体がイカれると再生する人の体。 放射線の影響を考える。
放射線は人間の細胞にある、原子の電子を吹っ飛ばす。 人の細胞は電子で結びついているので、
人間のDNAがバラバラになってしまう。 国側の御用学者でさえ、放射線1本で電離するのでガン
に繋がると認めざるをえない。
爆心地近くでも放射能の影響で死んだとはなく、爆風とか熱線とかケガ的はあるが、身体内部はな
い。 被爆者援護法で3号被爆者を認定する方法はないんですね。 日本の法律は行政の為のくだ
らん法律があり、いいかげん。 明確な法律解釈が違法なんですけど、まかり通っている。
知事や市長が被爆者の認定権を持っている。 ハッキリ言って、証拠を証明する世界じゃない。
原爆雲が長崎上空に広がり、空から放射性物質が落ちてくるのは当たり前。 最高裁でなく、知事
や市長は自分で判断しろよという運動が必要。 水俣病の患者に学ぶ運動をしないと、この壁は突破
できないと思う。 今後は長崎市の担当の連中や市長とガンガン交渉しないとダメだと思う。」
多長被爆体験者協議会 相談役
「私も被爆二世ですけど、2007年11月15日に提訴し、10年以上闘いを続けています。 長崎市の
稲佐山は300mちょいで、原爆は上空500mで爆発しているので障壁にならない。 旧行政区域
の旧長崎市を基本とした為に、こういう事が起こっている。 おかしいと裁判を起こしたが、国は被爆
の考えを1980年の基本懇を基礎にして、これ以上被爆者を増やさない、被爆者が死に絶えたら、
終わりにしたいという考え。 核兵器の開発にも影響するので、原爆被害の矮小化。 福島の問題
に波及させないという国の命題。 大きな力が働き、懸命の闘いが続いている。 県や市は国の顔色
ばかり見ている。 12kmの科学的根拠はない、せめて同心円上を認めるべき。 広島でも黒い雨
の地域があり、認められない。 国との闘いの重要性を認識して、体験者を支えがんばっていきたい。」
多長被爆体験者協議会 訴訟第一陣原告団 団長
「11年目にして判例がでましたが茫然となりました。 全国から43万筆の署名ありがとうございました。
私たち素人でさえ、理解できない理不尽な判例に対して1陣はなんとしても、闘っていくと表明しまし
た。 負けても真実は真実。 弁護士の先生方も裁判費用は印紙代の実費で最後までやると、今後
もどうぞご支援をよろしくお願いします。」
多長被爆体験者協議会 訴訟第一陣原告団 会長
「第2陣として、生きて最高裁まで行って判決を聞きたい。 みなさんのご支援で最後までがんばりたい。」
原水禁日本国民会議 議長
「被爆者はなんの援護もなしに苦しめられ、行政や地方の自治体に頼り、やっと救われた。 一部の政
治家が自分の手柄のように言う人もいた。 最初の年度から3億、10億円と予算が膨れ、厚労省は
見直しをした結果で、被爆体験者ができた。 厚労省の言いなりはオカシイ。 司法は独立して見解
を示すべきなんです。 行政の言いなりの司法。 本当に残念です。 日本に民主主義はないと言わ
ざるをえない。 私も被爆者ですが、なんとしても支援をしないといけない。