BSL4市民学習会   


日 時 2017年9月16日(土)14:00〜16:00
場 所 長崎原爆資料館ホール


主 催 BSL4施設設置の中止を求める自治会・市民連絡会
BSL4中止連 呼びかけ人 (吉武さん/長崎大学教授)
「ただいまから開催します。 会長のあいさつの後、本日はおふたりの講師にお願いしています。」 


BSL4中止連 会長 (上野町東部自治会 会長)
「9月13日にBSL施設の陳情を長崎市議会に提出しました。 長崎大学は強引に建設を進める基本
 構想を発表しました。 反対している26の自治会から多くの賛同を得て、反対署名は1万2千件を超
 えました。 大学がこの声を無視して、住民の合意なく建設はできません。 村山市では強行建設され
 たが稼働できませんでした。 施設は国民の税金で造られる。 無駄にならないよう、坂本キャンパス
 への中止を求め、みなさまのご支援をお願いします。」
山口さん (脳神経外科) 『危険なエボラウイルス等を扱う動物実験施設の問題点』
「長崎大学医学部出身です。 BSL−4施設が国家的な位置づけになっている。 バックに国があり
 国家的な事業なのは明らか。 国として進めて行く意味、坂本地区の歴史的意味の問題。 今まで
 いろんな経験をした特殊性がある。 戦後、熱帯医学研究所があった歴史的意味。
 私が住んでいる高槻市にある、JTのバイオ施設研究所と似通った施設。 今の世界情勢の中、ウ
 イルス兵器に結び付けやすい。 戦時中も病気の予防が戦時体制を作るキッカケになった。


 予防注射やいろんな医薬品が開発される業界との結びつき。 どんどん国民に使って効くか効かな
 いかとなり、業界と国が一体になって人体実験のように感じる。 ワクチン接種は慎重に。 確実性
 のない予防注射は人体実験じゃないのか。 研究予算が削られている中、防衛省の予算が上がる
 と各大学はそれに飛びつく。 数千万円出すとなれば手が出る。 坂本地域は1500年代キリスト教
 が入り、キリシタンの村で浦上4番崩れまで悲劇を繰り返した歴史。 原爆投下された歴史、長崎は
 実験に使われたと考えざるをえない。 日本ではいろんな事が繰り返されてきた。 福島の原発事故
 もそう。 10年20年経ち、あれはまずかったと言うだけで、何の教訓にもならないのは誰も責任をと
 らないから。 間違いでしたで終わり。 BSL−4も過ちを繰り返してはいけない。 


 熱帯医学研究所は1942年長崎大学に支部ができた。 陸軍医学防衛施設は731部隊など、細菌
 化学戦部隊で防衛研究施設が国の方策で造られた。 菌に感染しないようにが、研究を進めるうち
 に兵器に使えると731部隊は考え、細菌兵器を造り中国での戦争に使われた。 戦後、名前を変え
 隊員たちが長大に来た。 当時、実際に講義を聞いていたら人体実験であみだした講義があった。
 どうしたか聞くが答えらずどうも胡散臭い、なんかやっていたかどうか判らないが。 いろいろ問題を
 抱えた研究所。 反省すべきであり、かつての事に目をつむりヤル事に疑問を感じる。


 かつて日本の731部隊でやったデータをアメリカでその後開発した。 ウイルス研究が人工的に造
 られた細菌兵器として、核兵器以上の兵器になる。 ひとつの民族を滅ぼす兵器になる。 
 デュアルユースとは両面性。 ウイルス研究も人から感染を守ると良い事に使うので、悪いとは言え
 ない。 最初は平和利用の為でも、防衛省が金を出すと戦争の為に使われるので気をつけないと。
 加計学園問題も、内部文書にバイオテロ目的と入っている。 軍事的要素も濃いから国も一生懸命
 に造ろうとしている。 化学技術の歴史は国民を犠牲にしてきた。


 BSL−4に関する記事を読むと、高槻市にあるJTの日本たばこ研究所、バイオ研究施設と似た面が
 ある。 遺伝子組み換えをやり医薬品研究を行い、マヤカシかなと思うのは、夢があるようなキャッチ
 フレーズで、一般市民も出入りできるが胡散臭い。 そういう事に騙されないようにしたい。 
 広島の原爆ドームのように旧浦上天主堂がカトリックの総本山として残っていたら、オバマ大統領も
 来たと思うし、全世界の人が来るから危険なBSL−4施設は作れない。 歴史を見ると浦上に施設を
 造る意味は何なのか。 うがった見方をすれば誰もいない野原より、浦上の密集地を狙っているんじ
 ゃないかと考えられる。 歴史を冷静に見つめ、厳しい目で見ておいた方がいいだろう。 間違うのが
 人間、間違うからこそ反省し話を聞き歴史から学びとるべき、ひとつの大きな警告です。」
 
二木洋子 元高槻市議会議員 『BSL-4の坂本キャンパス設置に反対する住民と市民の皆様へ』
「JTはタバコだけでなく、医薬品も造っています。 JT医薬研究所の建設反対運動を1983年から行
 いましたがJR高槻駅の近くに今はできています。 遺伝子組み換えも、どのレベルか企業秘密で言
 わず、法的にも止められず住民の合意がないまま建設しました。 大量の動物を飼育し放射性物質も、
 取り扱い、大きな地震が起きた場合のバイオハザードの危険性を訴えました。 


 1993年に9月に開所し、1995年1月の阪神淡路大震災で見に行ったら非常電源は入らず真っ黒。 
 1ヵ月後NHKで放映してくれた実験施設は、ダクトの破損、ひびで気密性は保てない、地震で病原体
 が外に漏れる状態でした。 実験が行われていなかったのは幸いですが、耐震性や密閉性はなかった。
 広い建物のどこで、どういう動物実験しているか判らなかったので、図面の公開請求を市にしました。
 市役所の公文書は原則公開ですけど非公開もあり、最初は何も公開せず裁判となりました。


 2000年12月、JT職員による放射性物質をJR高槻駅でビンに入った液体をばらまく事件があった。
 消防も警察も囲んだまま、科学技術庁の管轄だと言う。 原発の反対運動もしていたので本当に除染
 できたか駅のタイルを測ろうとしたら、測るなと言う。 住民は病原体なら目にも見えない、放射線の
 ように測定もできない。 背筋が凍る思いをしました。 放射性物質の管理はズサンで市は初めてJT
 に抗議し、内部告発で下水に有害物質垂れ流しなどもありました。 


 住民の勝訴判決で図面は全部公開になりましたが10年かかった判決、本当に大変でした。 
 吹田市では漏れる事を前提で取り組み、条例を変え市民の安全を予防的に取り組みを行っています。
 大阪府は大きなバイオ研究所に来てもらうとしており、大阪北は住民がウルサイ町でできてません。
 裁判所の判決の中で、建設するなら基本的人権が住民が侵害されるとありました。 できたらずっと
 監視しないといけない。 不安な生活になる。 反対運動を一緒にがんばりたい。」


BSL4中止連 事務局長 (木須さん/長崎大学名誉教授)
「エボラの動物実験施設を住宅地に造ると、造られた後はどんな事が起きるか教えて頂きました。 
 あんな事はおきないと言うが、倫理というものは学んでいくもの、長崎大学は安全を歴史からという
 文化が根づいていないので心配です。 長崎大学病院では院内感染で亡くなっている。 先にそれ
 を解決するように言いたい。 この無謀な計画を止めたいので、みなさんがんばりましょう。」