原水爆禁止日本国民会議 共同議長 (長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会 議長)
「被爆78年目を迎え、当時5歳だった私も、83歳。 被爆体験者、戦争体験者の声が小さくなり、
 人々の記憶から意図的に消されようとしている。 世界唯一の戦争被爆国として、先頭に立つべき
 です。 闘いはこれから、今が踏ん張りどき。 日本国憲法を守り、核兵器禁止条約に賛同せよ。」


多長被爆体験者協議会 会長 (被爆体験訴訟 第二次原告団長)
「78年前に原爆投下されたとき、2歳と3ヵ月。 爆心地より10.2Kmの伊木力でした。 160名
 で闘争し22回口頭弁論しましたが、国・県・市が控訴し、福岡高裁で9回の口頭弁論して全面敗訴
 しました。 最高裁で上告は受け入れられず敗訴。 もう少し老体にムチ打ってガンバリたい。」


鈴木史朗 長崎市長
「長崎を最後の被爆地に、核兵器がない社会の実現を。 核の脅威から地球と人類を守る方法は、
 核兵器廃絶しかありません。 平和の想いを共有し、広げて頂きたい。 世界から核兵器が無く
 なるまで、平和の道をみなさんと歩んでいきたい。」


被爆78周年原水禁長崎大会・開会行事は、高校生平和アクションのDVD上映と、海外ゲストによる
スピーチは、アメリカ・ピースアクションの、ジム・アンダーソンさんにより行われた。
被曝体験者訴訟について、池田章子 長崎市議会議員が、早期解決を訴え、支援をお願いした。
全国から集まった高校生1万人署名活動実行委員会や、高校生平和大使らが登壇し、活動報告した。
被爆78周年原水禁世界大会・長崎大会
開会総会、国際シンポジウム


日 時 2023年8月7日(月)15:30〜18:50
場 所 長崎ブリックホール・大ホール  


主催:被爆78周年 原水爆禁止世界大会実行委員会
原水爆禁止日本国民会議 事務局長
「全国各地から集まるみなさん、この台風の状況において現地とも協議し、8月9日閉会総会の
 開催と平和行進は見送りとなりました。 11時2分にそれぞれの場所で黙とうをして頂きたい。
 国際シンポジウムは、海外オンラインも含めて4人のパネラーに順番に話して頂き、考えたい。
 政府・東電が呼ぶALPS処理水は、膨大な量の海水で希釈するから安全できれいな水であるか
 

 のように表現していますが、実際は放射能汚染水です。 問題性を隠さない為に、そう呼びます。
 福島第一原発の建屋に流れ込む大量の地下水と雨水が、溶融燃料デブリに触れて、高濃度の
 放射性物質に汚染された水を、ALPSの多核種除去設備で、トリチウム以外の核種を除去した。
 この汚染水はトリチウム以外の核種を含んでおり、他の原発で通常運転と同様に考える事は
 できません。 トリチウムを除去する技術があるにも関わらず、海洋放出を強行するのは、安全


 よりコスト優先が感じられます。 全国漁業協同組合連合会も、毎年反対の決議をあげており、
 漁業者から海外輸出などへの影響から、厳しい反対の声が聞かれます。
 原水禁はIAEAの報告書が出され、7月6日に声明を出しました。 海洋放出以外の手段を検討
 すべきで、廃炉の目処が立たない中ではタンク増設用地が確保できる。 広大な太平洋におけ
 る環境汚染へのモニタリングが不十分。 トリチウムの人体への安全性は確立していないなど
 数多くの理由から、原水禁として放射能汚染水の安易な海洋放出に強く反対します。」


福島県平和フォーラム 共同代表
「当時からALPS除去装置はトラブル多発で、フランジタンクから漏れ出し、雨水と流れ出しており
 ました。 長期陸上保管は困難で論外、東電は除染し薄めて海洋放出すればイイと考えていた。
 安倍首相は、アンダーコントロールされ影響はナイと国際公約してしまい、政治課題になって
 しまった。 処理水は多核種でなく、トリチウム水だとして、海洋放出は低コストで規定路線と、
 本格的に舵が切られた。 海洋放出ありきで、国も東電も矛盾を隠し、一方的な理解を押し付け
 

 てきた。 事故を起こした当事者の都合で、閉じ込める大原則に矛盾した放射線拡大は絶対に
 認められない。 タンクを増設し保管の土地はあるが、東電はやりません。 デブリを取り出し、
 一時保管場所の為、タンクを撤去すると言うが、いつ取り出されるかもワカラナイ。 止水対策で
 抑制できなかった事が大きな原因。 凍土壁で地下水の流入を止める事に失敗した。
 サブドレンから、地下水の放出によって汚染水の発生を抑え、止められる段階に来ている。 
 止めれば、陸上保管でき、海洋放出を止める手立てがあるのに、国民に真実を隠し強行しようと
 

 しています。 福島県漁連は、基準値以下でもデブリに直接触れている高濃度汚染水であり、
 いくら除去しても海に流してほしくないと言っている。 国は長期評価についても出していません。
 海洋に対し未知なのです、常に安全とは言えない。 海はゴミ箱でないのです。 海洋プラスチック
 も問題になっているのに、許されるのか。 オカシイと気が付かないのか。 地球が汚染され、食物
 連鎖で陸に上がる。 海を汚すなと、原水禁福島大会では海洋放出反対の決議をしている。
 東電は理解を得られるまでとしながら、海洋放出の安全性を、莫大な経費でPR活動を行っています。
 

 国も開始時期を一方的に閣議決定だけで決めている。 薄めて流すので安全ですと、誰が信用できま
 すか。 国は風評被害と賠償だけに特化している。 ALPSトリチウム水と言うが、62種の放射
 線核種が排出基準を上回る濃度で含まれ、汚染水なんです。 誤魔化されないよう、明らかにしてい
 きたい。 問題はALPSで処理すると、放射性汚泥・スラリーが出る。 スラリーは線量が高く、
 高性能容器HICに保管し、4192基で98%と保管場所が満杯に近づいている。 再度ALPS
 しても、さらに増える事を隠している。 海洋放出を始めても、解決できない問題が出てくる。」


韓国・環境運動連合 事務総長
「韓国の社会が、どう反応しているかお話します。 韓国政府は、プロパガンダと言っています。 
 これは安全ではありません、科学に基づかないゴーストストーリー。 海洋投棄に私たちは反対
 します。 日本政府に対し、核廃棄物を海洋投棄せず、陸上保管するべきと、国際裁判所へ提訴
 し、署名活動もしています。 韓国の漁師は強く反対し、100万以上の署名を集めています。
 

 韓国政府は措置をとっていないと、ロンドン議定書に基づく訴訟。 6月8日世界海洋デーに
 署名を集め、岸田首相やIAEAにも送りました。 科学に基づいていない根拠がないストーリー
 を言っている日本政府は、何の為、誰の為、ギャンブルをしようというのでしょう。
 未知のモノを安全だと言うのは、非科学的。 世界の市民は海洋投棄に何をすべきでしょうか。
 国連人権理事会へのアピール。 海は私たち共通の家。 済州島の海女も、最初の犠牲者に
 なると、私たちが最後の海女になると言っています。 汚染するのは止め、海を救えと綺麗な
 

 海を残したいと言っています。 いろんな人が韓国でも声を上げています。 海洋投棄を30年
 以上行う事は容認できない。  IAEAの最終報告書は、自らの基準を破っています。
 よく見ると、支持しないとなっています。 いかなる危険が生じても責任を負わないとある。 
 一方で日本の計画は基準を満たしているとは、どういう意味でしょうか、疑義となってるところ。 
 この事はドイツ・アメリカでもあまり知られていない。 この海洋放出は1日か2日と思っていた、
 30年以上続くなら反対ですと、国連や、各政府に対して私たちの声を高めていく必要がある。」
 


アメリカ・核のないマンハッタンプロジェクト 共同創設者
「ニューヨークで弁護士をしています。 マンハッタン計画を取り消す為、アメリカの核政策提言や、
 被爆者の証言に英語字幕を付けたりしています。 ニューヨーク市郊外の、廃炉になった原発の
 汚染水を、ハドソン川へ放出する事に反対運動を展開しました。 福島の汚染水放出は悪い前例
 を作ってしまう。 太平洋諸国の環境汚染。 希釈は汚染の解決策にはなりません。
 

 2021年6月には、アメリカの70団体を代表し、日本政府に放出計画決定の取り下げを求める
 公開書簡を、ニューヨークの日本領事館と、日本の国連代表部へ提出し、2022年には西海岸
 の団体や、世界中の団体から受けた書簡を再度提出しました。 汚染水を太平洋に流さないよう
 求めるハガキを世界各国から、福島の知事らに送る、グローバルハガキ作戦を開始しました。
 ニューヨークの日系新聞は一切触れず、放出計画だけを報道していました。」


マーシャル諸島大学 教員 (マーシャル諸島大統領府 環境計画政策 担当官)
「マーシャル諸島はアメリカの核実験で負の遺産。 プルトニウムは溶けにくく太平洋に対流しています。
 1950年代にアメリカから日本が導入した原子炉は、ビキニ環礁でのブラボー実験で、第5福竜丸が
 犠牲になった事について、日本政府を黙らせる為、だったそうです。 IAEAは不道徳な組織である。
 米国原子力委員会と同様に、核放射線の研究をしている。 放射線リスクを引上げ、人々に被爆の
 許容レベルを引き上げた。 核エネルギーの商業利用や、軍事利用を正当化しようとしている。
 さらなる核汚染から海洋汚染を守る為、国連海洋法条約の改正を求めます。 人為的汚染を盛り込む
 

 よう求めます。 政府や大企業を守るだけで人々は守らない、先住民は正しい知見を持っている。
 自然の保護、自然の生態系との正しい付き合い方を理解している。 汚染したらどうなるかを、
 よく知っている。 核物質の蓄積が高まれば、大きな影響となる。 次の世代の為に今、行動する
 事を考えないと。 地球からの恩恵を受けているか考える事が、この問題の解決に重要です。
 自分たちの将来を、若い人は自ら闘って、勝ち取っていくべき。 私たちは、青い地球を守る。 
 口先だけでなく行動が必要です。 闘いは終わっていない、一緒に行動しませんか。」


国際シンポジウム  放射能汚染水の海洋放出に反対する