労働運動時局講演会 


日 時 2018年9月25日(火)18:00〜19:10
場 所 長崎地区労会館・2F大会議室


主 催 一般財団法人長崎地区労働福祉会館
貸し会議室
財団法人の事業
全国一般長崎地方労働組合 執行委員長  『働き方改革と同一労働・同一賃金』
「2018年6月29日に成立したばかりの働き方改革関連法。 8つの法律で構成され、2019年4月
 施行する。 中小を対象にした残業時間の罰則付き上限規制や、同一労働・同一賃金の適用は20
 20年以降となる。 団体交渉で同一労働・同一賃金の話をしたら、弁護士が郵政では正規を下げて
 非正規を上げていると言われた。 今から始まる法律。 自分のモノにしながら活用して頂きたい。


 有休も正社員だと入社して半年たつと10日間取得するので、そのうち5日間は計画年休を導入しな
 いといけない。 時間休は労使協定を結んだ所は、最大5日までとなっている。 現行の制度で36協
 定を結ぶと残業時間を超えて可能で、事実上の青天井が今の法律。 厚労省はできる限り、月45時
 間に近付けて結んでほしいとあるが、中々そうならないと思う。 36協定は紙切れ一枚で、社長と労
 働者代表が時間外や休日労働を結ぶ。 今後は具体的理由を記載するよう新しく法律で定められる。


 中小零細では個々の労働相談で、誰が36協定にサインしているのかワカラナイ事が多く見られる。
 管理者が書いている場合もあるが、組合がない場合は労働者の過半数を代表する者は、監督・管理
 の地位にある者ではない。 残業が多くて退職した場合、連続して3ヵ月45時間または1ヵ月で100
 時間超えるなどの時間外労働は、特定受給資格者となる。 自分から辞めても会社都合の退職と同
 じになる。 被保険者期間6ヵ月で受給資格となり、3ヵ月の待機期間なく雇用保険が支給される。 
 周りで仕事を辞めた人などいたら、気にしてほしい。


 裁量労働制は専門職を対象に年収1075万円以上だが、経団連はなし崩し的に高プロの範囲を広
 げて改定し年収400万円の適用を考えており、実質の賃金抑制政策となる。 新幹線通勤などで定
 期代が月10万円など含んだ中身の年収でもあり、総額で考えられている。 同一労働・同一賃金に
 ついては、企業側は有期雇用者を無期にすれば問題帳消しと考えている。 原則、同じ仕事なら同じ
 賃金。 ボーナスなし、休暇なしなど禁止している、不利益な取り扱いを禁止している。 


 人と差があるのか聞かれたら使用者は説明しないといけない。 福利厚生も均等待遇。 不合理を
 認めてはならない。 つい最近の裁判でも同一労働・同一賃金の判例が出ている。 片方が契約社
 員で同じ仕事をさせていて賃金やボーナスに差があり、全て認められたわけではないが、契約社員
 になかったモノがオカシイと裁判所の判断が出た。 あちこちで、いろんな経験をしてきた人と、ずっ
 と同じ所で働いてきた人の賃金に差をつけるのはオカシイ。 今後、掘り下げると後から出て来る。 
 しかし、定年で再雇用の場合は賃金が下がるという裁判所の判断。 


 派遣労働者が、正規職員との差があってはならない。 見抜く為には派遣元に労働条件の提示を、
 就業規則の提示を見せなさいとしなければならない。 今までは曖昧。 安倍政権になって働き方
 改革が作られた。 派遣法の改正で3年超えた労働者の雇い止めが今後、問題になる。 働く側も
 法律に関心を持ち、理論武装し自分のモノにするのが必要。 今の政府は資本家側と結託して、良
 い法律ができても悪い方に持っていく。 自分たちに不利にならないようにする使用者に経営側。


 使用者側は、こんな法律はいらないとなるだろう。 労働審判をやっていますが、居酒屋で劣悪な
 環境で学生が働いている。 有給休暇がないと平気で言う社長は、基礎的な法律さえ知らない。 
 私たち労働者は注意深く周りを見るのも大事。 労働組合で少しでも労働条件を良くしていこうと、
 団体交渉をしています。 困っている労働者がいたら、全国一般長崎の労働相談でなんとかします。
 均等待遇とは、同じ職務内容で差別的な取扱いをしてはならない。 今後ともに闘っていきたい。」